見出し画像

ゆるくつながる、コミュニティの作り方 / かかみがはら暮らし委員会


私の関わる地域のコミュニティ「かかみがはら暮らし委員会」について話を聞きたいというご依頼を受け、名古屋のOde Inc.さんにてトークイベントをさせていただきました。


お相手は名古屋でニシヤマナガヤというショップ&コミュニティスペースを作っている建築家の植村さんです。


タイトルは「ゆるくつながる、コミュニティの作り方」
今回は、実際にコミュニティを作られている方、これから作りたい方、行政でまちづくりを進めたい方など、本気度が高い方が多く、非常に興味深く皆さんがメモをとりながら聞いていただけたのが印象的でした。

私の方では、かかみがはら暮らし委員会での活動、創業した時から今に至るまでの様々な話をぎゅっと濃縮してお伝えし、自分としてのコミュニティ観を伝え、植村さんとはお互いのコミュニティについてのぶっちゃけ話などをクロストーク形式で楽しくお話しできました。


Ode Inc.さんの方でのイベントレポートはこちら。
皆さんのコメントがあって嬉しい!


トーク内容はざっとこんな感じです。
メモ的に残しておきます。

あくまで、「私が体験してきた”かかみがはら暮らし委員会”の側面」なので、人によってはもしかしたら全く違うポイントがあるかもしれません。
(そういう、一人一人が違った「かかみがはら暮らし委員会」感を持っているのも、この団体の面白いところだとおもっています)

また、まちづくりの観点からの視点もありますが、今回は「コミュニティ」に関する話題として捉えていただければと思います。


●かかみがはら暮らし委員会というコミュニティは何をやってる団体なの?

KAKAMIGAHARA STANDという「文化の発信と人々の交流の拠点となるカフェ」を運営しながら、イベントや部活動など「好き」で集まる活動をメンバーそれぞれが企画したり、毎月一回定例で開催する「まちの交流会」寄り合いをやったり、マーケット日和など行政主催の大型イベントのお手伝いをしたりなどしています。
行政の出先機関や助成金で動いているわけではなく、関わるメンバーは興味関心で集まっている仲間、というイメージです。



●かかみがはら暮らし委員会の創業時から今までの経緯

2015年11月 
マーケット日和のボランティアスタッフとして市役所の方に声をかけられて参加。そこからボラスタメンバーが少しずつ集まりました。

2016年8月 
後にKAKAMIGAHARA STANDとなるカフェのプロポーザルに応募するため、マーケット日和で切磋琢磨したボラスタ仲間5人で「一般社団法人かかみがはら暮らし委員会」を設立、5人は理事に。

2016年11月
カフェ「KAKAMIGAHARA STAND」OPEN
後に、イベントや部活動、寄り合いなどの企画を進めていく「事務局」として社員を入れることで活動が活発になりました。

2019年1月
最初は「マーケット日和だけじゃなく、自分の街で楽しみが日常的に続いていくといいよね」くらいの感覚で始めた暮らし委員会ですが、初期の頃から構想としてはあった「コミュニティ」的な役割を実施していこうと、「暮らし委員」制度という、会員制のグループを立ち上げました。
イベントを手伝ってくれていた仲間や、寄り合いの常連さんなど、初期の頃で20名ほど参加してくれました。

ただ、そんな委員の仲間たちと理事との間にどうしても上下関係ができてしまうこと、理事の1人や事務局が辞めることになったり、一部のメンバーが企画に疲弊したり、、、など、せっかく作ったコミュニティがコミュニティの良さを発揮できてないことにモヤモヤし始めました。
そんな揺れ動く最中、コロナ禍に突入です。

コロナでみんなに会えない中、KAKAMIGAHARA STANDも集客が見込めず、理事内も意見がバラバラに・・・
そんな中で「やっぱりコミュニティをもっと盛り上げていきたい」という思いから、理事だけでなくメンバーみんなが一緒に考え、一緒に作っていく、フラットな関係性を作れる場所にしようと、思い切って理事を解散し、選挙をすることでコミュニティのリーダーを決めることになりました。

2020年4月〜8月にかけて
会員約40名の頃、理事解散、委員長選挙を実行し、組織改革を行いました。
そこで、有志で集まった仕組みづくりのメンバーで、改めて「かかみがはら暮らし委員会とは」「コミュニティとは」を何度も話し合い、暮らし委員会の目指すことや大切にすることなどを明文化し、メンバー全員に共有。
「まちを楽しむ人たちのコミュニティ」として、新しい気持ちでスタートすることができました。


●かかみがはら暮らし委員会の現在

現在会員78名。(2021年12月現在)
単なるイベントをやっている団体というよりは、所属することで安心できる、自分のもう一つの居心地の良い居場所として機能するといいな、とおもって地道に活動しています。

具体的には、リアルなイベント、部活動、寄り合いだけでなく、slackを使って日常的にオンライン上で交流できるようにしたり、WEBサイトをリニューアルしてメンバー一人一人に焦点を当てるようにしたり、YouTubeなどを使ってメンバー対談やイベントをしたりなど、オンラインでもやりとりが活発化しています。
オフラインでの拠点KAKAMIGAHARA STANDと同じくらい大切なものとして、オンラインでの居場所がslackになりつつあるのは面白い現象です。

また、団体全体としては「まちづくり団体ではなく、まちを楽しむ人たちのコミュニティである」というのを毎回伝えています。
「まちづくりをしたい!」と言って集まったメンバーではなく、自分たちが楽しいと思うことを仲間とやっていることで、結果的にまちが素敵になっていく、という現象が面白い。
もちろん、公園の利活用や身近なエリアでパークブリッジのような新しい施設ができてきているのは、まちづくりの視点で活躍しているメンバーによるものだったりもします。まちづくりの視点とコミュニティの活動が、両輪で動いているのがかかみがはら暮らし委員会の特徴と言えるかもしれません。

複雑で、とらえどころがない、入れ替わりがありながら緩やかに続いていく、生態系のような団体。
私は暮らし委員会をこう捉えていますが、メンバー一人一人が「私が思う暮らし委員会」があると思います。


<私の考えるコミュニティ観>
トークイベントではここを結構掘り下げてお話ししました。
(あくまでも私個人のコミュニティの考えで、団体の総意ではないです)

・「続けよう」と思いすぎると疲弊する、「楽しくやろう」と思って少し力を抜いた方が続けやすい。
(5年後10年後の団体の未来を考えていますか?という質問に、私個人の考えとしては何も考えていないし考えても変わっていくから考える必要がない、今起こっていることをきちんと見つめて、丁寧にやっていくことが大事、と答えました。)

・人数の多さは宝。少ない人数で仕事を増やし、役割分担を無理にするより、まずは少しずつ仲間集めをして、その中から出てきた「やりたい!」をベースにやっていくのが無理がない。
(自分しかやる人がいない・・・と疲弊した過去から学んで、「みんなでやる」を体現できている今がとてもちょうどいいです)

・コミュニティは「みんなでワイワイする仲良くしよう」とか「イベントや企画を誰もが次々とやろう!」という場ではなく「どんな関わり方をしていてもなんとなく居心地が良い」安心できる場所であることが大事。
自ら何かやりたい人はそれを叶えられて、みんなの活動を見ているだけでも楽しいという人は所属しているだけでももちろん良い。
(私自身が、みんなでワイワイするの苦手です・・・なので、ワイワイしなくていいコミュニティが作りたかった。)

・同じ人ばかりがずっと中心にいると疲れる。緩やかに人は入れ替わりながら、新しい価値観や新しい発想を次に繋げていくのが、団体として無理なく続く方法。なので委員長は入れ替わっていくし、運営やチーム、そもそも団体メンバー自体も人の入れ替わりがあるのが「当然」であること。
(役職や立場に固執したり、お金が目当てになったりすると、関係性が崩れやすくなります。風通しがよく、透明化されていて、いつでも誰でも関われる、離れられる、環境づくりが望ましいとおもっています)

などなど・・・
他にもいろいろお話ししましたが、話しすぎて忘れました。笑


文章では面白い部分が全く伝わらないので、こういう創業の話や活動については、できればいろんな場所でこれからもしていきたいと思います。

コミュニティを作りたい、まちづくりをしたい、人と人とのつながりを作っていきたいという方がいたらぜひ声をかけていただければ嬉しいなと思います。



お問い合わせ▼


<追記>
皆さんの感想、嬉しい!


いいなと思ったら応援しよう!

オゼキカナコ
自分が楽しいことをしてたらうっかり周りも楽しくならないかな?という気持ちで活動しています。応援してもらえるととても嬉しいです!