初めての過換気症候群(過呼吸)、初めてのテタニー(全身硬直)、2回目の救急車の話。
今年の1月に某所(医療関連)で気を失った。
ふらふら〜っと、隣に座っていた人に、息も絶え絶えな状態で「気持ち悪いで…す…」ともたれかかったとこまでは覚えている。
気づいたら何人かの看護スタッフに支えられていた。
もやもやが少しずつ晴れてきて、死からよみがえった気分。(知らんけど)
少し気持ち良い、ふわふわした気分から一転、すぐに過換気症候群(過呼吸)になった。
息が苦しい。ひきつけを起こすくらいハアハアと息が荒くなった。
「ゆっくり吐くことを意識して」と周りの看護スタッフの方に言われながら、その通りに頑張る。
医務室的なところに運ばれながら、同時にテタニーというものになった。
全身が硬直して動かなくなる症状で、指先まで全部ガッチガチに固まっていた。
呼吸も苦しい上に全身が硬直してて、死ぬのかな?と一瞬思った。
耳だけはちゃんと周りの声を聞けている。
「ゆっくり吐いて、体固まってるけどすぐおさまるから大丈夫、心配しないで、上手上手、上手に息吐けてるよ、ゆっくりね….」
スタッフさんがずっと声をかけて、体をさすってくれている。
死ぬのかなと思ったけど、ずいぶん死なない感じがしてきた。
そしてあっという間に点滴をされて、いつの間にか全身は弛緩し、呼吸も普通になっていた。
私に何が起こってるんだろう?とびっくりしたけど、とにかくスタッフさん達が優しくて泣きそうだった。
多分、苦しかったのはほんの数分くらいのことなんだろう。
その時は永遠のように感じたけど。
少し落ち着いて会話もできるようになった。
けれど、ちょっと動くだけで吐いてしまう。
全身の脱水状態がひどかったためか、救急車を呼ばれることに。
吐き気はあるけど夫にLINEで連絡はギリできた、が、かなり脱力状態だった。
しばらくして救急救命士の方たちがやってきて、色々質問をされながら運ぶ準備をされた。
よく見る平らなベッド上の担架ではなく、大きな抱っこ紐みたいなものに入れられて運ばれた。
カンガルーの赤ちゃんの気分。
いや、そんな悠長ではなく、実際は吐き気も汗もすごくて地獄…!となっていた。
そして救急車の中で、本日2回目の過換気症候群&テタニー。
私はこの短時間で学習した。
過呼吸で死なないと理解したので、ゆっくりと息を吐くことに集中。
テタニーも点滴でおさまると理解したので、気持ちは落ち着いている。
ただ、とにかくしんどいけど。
病院についてまた点滴、過換気症候群とテタニーはおさまる。
が、今度は猛烈にトイレに行きたくなる。便意がすごい。
動くと吐くので行けないし、ポータブルトイレにも座れる自信がない。
「胃腸が動くからどうしても便意がもよおされちゃうんだよね、仕方ないよね」と言われながら、オムツをつけられる。
なんというか、無力感、脱力感がすごい。
誰かに支えてもらわないと寝返りすらうてない。
オムツをつけられて呆然としていた。
しばらく横になっていると夫がかけつけてきてくれた。
普段、私が病気の時に積極的におせっかいするタイプの夫ではないので、慌ててきてくれたことがとても驚いたし、なんか自分が情けなくなった。
夫の、特に何をするわけじゃない、ただそこにいて待っていてくれるだけの状態が、とても安心感があった。
救急で搬送されたそのベッドは、また次の救急患者を受け入れなければいけない。
数時間前に「死ぬのかな?」くらいに思ってたのに、「動けるようになったらもう帰っていいですよ〜!」と看護師さんに言われて拍子抜けした。
むしろ(早めに動けるようになってベッドあけてもらわないと困るんだけどね)みたいな感じもあり、なるほどなるほど、と吐きながら考えていた。
吐き気止めも入れてもらって、やっと車椅子で動けるようになり、夫に付き添われてトイレに行ったりしている間に、気持ち悪いのは変わりないが吐き気はおさまってきた。
ベッドはあけないといけないけど待合で待つのはOKということで、呆気なく部屋を出されて、寒くて薄暗くて誰もいない待合で毛布だけ借りてぼんやりしていた。
夫は、慌てなくていい、いつまでもここでゆっくりしてればいい、と、言ってくれた。
ポカリを買ってきてくれたり、一通り身の回りのことをしてくれてからは、寝ている私の横で、静かにずっと本を読んでいた。
夫のこういうところが好きだ。
どんな時も自分のリズムを過度に乱さない。
一緒に慌てたり、変に気を使ったりしない。
だから逆に私も、申し訳ないとかごめんとか過剰に思わなくていい。
彼は本を読んでいるし、私は寝てていいのだ。
1時間か2時間かかなりの時間待合にいて、すっかり夜がふけていた。
なんだか夢みたいな時間だった。
車椅子で乗車場まで運んでもらい、夫の運転で帰宅。
あとはとにかく、水分をとって寝た。
次の日、びっくりするくらい普通になっていた。
2〜3日はゆっくりしてね、と言われて、その通りにしていたけど、なんていうか、死ぬのかな?って思うくらいになって、脱力してて、もう元に戻れないのではって思うくらいだったけど、人体って、医療ってすごいな、と感動した。
ちゃんと、いつも通りになる。
助けてくれた全ての人に、自宅から感謝の念を送った。
初めての過換気症候群、テタニーの記録をメモしておきました。