年度末の車業界
ライター業にはあまり関係のない話ですが。
夫の仕事が整備士なので、私も結婚前後の数年間、車業界にいました。
上半期、下半期の年度末は超絶忙しいの一言に尽きます。
今も夫が忙しい最中で、家のことや子どものことは一手に引き受けるにしても、来年はお手伝いもするので、じわじわその忙しさが身にしみている。
3月は、新社会人が車を買う時期でもあるし、企業母体の政治的な諸々で、一般以外にも業販店販売分やリース車など、この時期には膨大な数の新車登録がある(今は全盛期よりはかなり減ったと思います)。雪の少ない地域ではこの時期にタイヤ交換もラッシュなので、セールスもメカニックもお祭り騒ぎです。
そういえば、関東地方では「スタッドレスタイヤ」という言葉を知らない人も多いとか。私は山形を出たことがないので意外でした。雪山に遊びに行くと、道路脇の側溝にタイヤが落ちているのは、たいてい関東ナンバーの車でした。普通タイヤで雪山に来るとか、自殺行為…。
私たちが住んでいる地域では、雪が多すぎて、タイヤ交換のラッシュは4月を過ぎてからなので、車屋にとってはありがたいというか不幸中の幸いというか。
車は大きな買い物だし、ローンで購入したり親に買ってもらったりいろいろ。そのへんの個人情報も扱うわけなので、書類は鍵付きの金属の棚に保管していましたね。(鍵はかかっていないことも多かったですが笑)
私は、本社の新車営業部の営業戦略室とかいう仰々しい名前のところにいたわりには、することの大部分はひたすら車検証を発行したり残債伺いをしたりと地味な仕事でしたが、車検証は人間でいえば戸籍や住民票のようなものなので、地味に作業が多く、正確さを求められ、扱う量がハンパないこともあり、3月は残業につぐ残業。
弁当を作る余裕がないし、買いに行く余裕もないからカップ麺にお湯を注いでも、電話が鳴って応対しているうちに汁がなくなっていることもしばしば。
電話はなりっぱなし。気を遣って同僚が出てくれるわけですが、そのほとんどは自分宛なので結局出る。1日100件くらい電話が来るというのは3月にしてみれば普通でした。自分宛の内線が2、3件待ちとか。長い企業名だったので、名乗るときのたった3秒くらいの時間すらもったいなくて、「会社名3文字くらいにすればいいのに!」とか思ったりもしました。
妊娠中も走り回ってまわりを心配させました。おかげで(?)安産でした。
私は登録業務というのをメインでしていたのですが、「お前の子どもが最初に覚える言葉は登録だ」と上司に真面目な顔で言われたくらい。胎教なんて全くしていないけれど、お腹の中で長女は「登録」って言葉を一番聞いたでしょう…。
今思い出してみると、OL服でデスクに座って電話を受けて書類を書いているとか、その姿を思い出してみると、テレビドラマに出てくる会社の中の一コマみたいで懐かしすぎです。
妊娠7ヶ月くらいまで、いわゆる妊婦服というのがあまり好きじゃなくて、手持ちの服のジッパーを開けて着たりしていましたが、「妊婦だって気付いてもらうことも大事だよ」と言われ、ジャンパースカートみたいなものをはくようにもなりました。(そもそもラストの方は急激に体重が増えて、合計17kg。手持ちの服なんて入りませんでした)
長女妊娠中に3月を迎えたとき、妊娠9ヶ月でした。
3月の最終週は、もはや私が妊婦だなんて誰もが忘れる忙しさ。私ですら忘れていたかも。戦力になるなら妊婦だろうが子どもだろうが猫だろうが何でもいいレベルになります。一枚の紙を届けるために部長クラスが小間使いになるなんてこともあるくらい現場が忙しい。上司には恵まれたなあと当時を振り返って思います。
書類を受け付けてくれるのは平日のみ、関係機関が閉まる16時台までなので、提出する書類に不備がないことが一番重要。
提出した書類が全部受理されたか、ハラハラしながら待ちます。電話が鳴れば「ここ違うよ、直して」という内容なので、ひたすら電話が鳴らないことを祈っています。
相手はお役所ですが、この業界の関係各所はむしろ一緒に戦う仲間なので、なんとしてでも全ての書類を通そう、と、法律違反はできませんが、あの手この手で一緒に手段を考えます。
3月31日は、まるで千秋楽。17時には閉幕のブザー。みんなでハイタッチ。私たちの部署が一番忙しいので、社長自ら「おつかれさま」とお菓子を差し入れてくれたり。
楽しかったなあ。
私のいた事務と夫のメカニックは全然別部署なので、仕事での絡みは全然なかったけれど、3月の忙しさは今でもネタになるくらいです。
よく早産にならなかった。昔の女性は産む直前まで農作業していたとかいいますしね。
一番忙しい時期を乗り越えて4月に入ってからの産休だったので、残務整理を終えてちょうどいいタイミングで休業に入ったのを覚えています。毎日何をしていいかわからなくてソワソワしてた気がします。
という年度末。
三女の保育所通いもあと3日。
「今日はね、お部屋には入れないの」と三女。今まで使っていた教室は、次の学年のためにお引越しが完了したということみたいです。
玄関にはクラス発表の紙が。
年少・年中の混合クラスのようで、双子は別クラスになりました。初めて離れる。どうなるのかな。今からドキドキですが、私はむしろ離してほしかったので嬉しい。新しい世界が拓けるといいね。
今日もやることいっぱいだ、がんばろ!
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