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人体改造のはじまり

今日、親知らずを2本抜いた。
来週また1本抜く。あと何本抜くのか分からないけど、ずっとコンプレックスだった歯並びを変える。小さい頃から気になっていて、でも生まれもった歯に多額のお金をかけて痛い思いをしてやるべきじゃない、我慢しようと言い聞かせてきた。整形手術をするような感覚。親からもらった身体に傷を付けるようなものと思ってきたが、歯医者に言わせると8020運動に適ったものらしい。
コロナ禍になり人とご飯を食べることも、人前でマスクを外すこともなく、特に不自由を感じることもなかった。マスクを付けていれば笑い方も気にならない。大きく口を開けて笑えた。
それも少しずつ、写真仲間やママ友とランチの約束をしたり、マスクを外して人と顔を合わせる機会も増えた。


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「ママと同じ歯並びになりたくない」
子どもの歯が減ってきた長男に言われた。
わたしは長男には理想とまでは行かないけど、尊敬できるような親でありたいと思っているから、そんなふうに思われてて正直ショックだった。

メリメリと歯が砕けてるような音がして、弱々しく歯が外れる。以前、別の歯医者で骨と癒着しているので抜けませんと言われた歯も、慣れていそうな外科医がテキパキと抜く。
今朝、三男に訊かれた。自分が高校生になったときママは何歳なの?
50歳くらいだなぁ。
今から歯を綺麗にしたとしても、50歳になる頃にはきっともう容姿がどうのとか考えてないかもしれない。それって意味あるの?そんなことを考えながら腫れた歯茎のなかに無い歯の感覚を探す。

「一緒に矯正しよう」
大人になってから、彼が容姿で引け目を感じることのないよう長男も矯正を始めることにした。俺はいいよ…お金かかるでしょ?と躊躇する長男に、お金は気にしなくていいから、とちょっと親っぽい事を言ってみる。

今日から2年後、自分の見た目や気持ちがそれでどのくらい変わるか想像もつかないけど、とにかく上手く笑えない自分とはおさらばできると信じよう。

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