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好きなことをやり遂げる


朝からクラシックを聴いている。
エリーゼのために、月の光、トルコ行進曲…
小さい頃、ピアノを習っていたせいかピアノの音がいちばん落ち着く。
毎週金曜日、庭にいる大型犬と遊ぶのを楽しみにしつつ声楽家の先生に教わっていた。
先生が変わってからは嫌になって辞めてしまって、今は全く弾けない。

好きなことをずっと続けることは難しい。

わたしは20歳の時に写真を始めたので、そろそろ写真をはじめて20年になる。
辞めようと思ったのは一回かな、長男が一歳の頃、先の見えない子育てに写真をやっていくのは無理だと思った。
だから最後に個展をして諦めようと思った。
近所のほうとう屋さんでは無料でアートスペースを使うことができた。
20代の時に海外をあちこち放浪して撮り溜めた写真をCanonのアート紙にモノクロでプリントして所狭しと飾った。
その頃はブログをやっていたので、ブログ仲間や旅行友達が見に来てくれた。

ほうとうを食べながら写真を見る。
初めての個展。夜な夜なプリンターで写真をプリントする作業は、わたしをより真剣に写真の世界に引き摺り込んだ。

一から写真を学んでみたい。
自分の手で現像からプリントまでやってみたい。
そして、写真雑誌で以前読んで存在を知っていたWorkshop 2Bの門戸を叩く。

そこでは、写真を学ぶ喜びはもちろん、写真が好きな人と写真の話を分かち合える喜びがあった。ずっとひとりで撮って、ひとりで見ていただけだったから。

今では写真が好きというより、自分の一部だから。取り立てて写真が好きだからやっています、というものはないが、性に合うんだと思う。写真が自分の過去の分身。
昔から絵を描くことが得意だった。でも絵を描くことは椅子に座ってキャンバスに何日も何日も向き合わなきゃならない。それが苦痛だった。それに比べて写真は自由だった。


我が家の長男は5歳からサッカーをやっている。彼は3歳から色んな習い事をやりたいと言った。体操教室に水泳、ドッヂボール、科学教室etc…色んなことをやりたがった。
その中で12歳になる今も続けているのはサッカーだ。誰かにいじめられた、コーチが嫌だ、何度泣いて帰ってきても、一度も辞めたいと言わなかった。
それでも来年、中学に上がるときに「サッカーどうしようかな」と言いはじめた。
今度上がる中学ではサッカーはできない。サッカー部は存在するのだが部員が1人しかいないらしい。廃部寸前。
「走るの得意なんだから、陸上でもやれば?」
「そうしようかな…」
そんな会話をしていた。

スポーツというもの、長くやってようが上手くなるものでもない。でも息子はサッカーが好きで雨の日も炎天下の日も続けてきた。

得意なことをやったほうが物事うまくいきそうなものだが、不器用な人間は好きなことしか続けられないんだ。
息子はあまりサッカーで褒められたことがない。いくら得点しようとも、コーチにもチームメイトにも褒められない。勉強もスポーツもそつなくこなしているように見える彼は出来るのが当然だと思われるらしい。

ところがこの前の試合で、他のチームの監督が、うちの子を優秀選手に選んだ。
「試合中、いちばん一生懸命走ってた」
6年間、選ばれることはほとんどなかった。

彼にとって、悔しい思いも嬉しいこともサッカーが運んでくる。
「ママ、やっぱりサッカー続けたいんだけどどうしたらいい?」

クラブチームに入団させることにした。彼にはどのくらいお金がかかるかは秘密にしようと思う。知ったら母想いの長男はやっぱりやらなくていいと言うだろうから___


SIGMA dp1 Merrill
“プラタナスの光”より



あなたには好きなことがありますか?
とても好きなこと、ちょっと好きなこと。
辞めても続けてもいいです。
やってください。

途中で挫折したとしても、好きなことはずっとあなたの中に残ります。

今、わたしがnoteを書いているのも、小さい頃本を読むのが大好きで、寝ても覚めても歩いても小説を読んでいたから、書くのが好きなんだろうし、

今聴いてる音楽は、心を癒やしてくれます。

20年続けてる写真は人生の支えです。

だからもし、得意なことか好きなことで迷ったら、好きなことを選んでください。
やりたいほうに進んでください。



最後まで読んでいただきありがとうございます。©︎2024 OHO KANAKO All rights reserved.


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