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やっと一区切り

おととしの10月から今の職場で働いているが、介護・福祉未経験のゼロからのスタート、右も左も全く分からずただ障害のある利用者さんたちの温かい眼差しに導かれて仕事を続けられてきた。
知識も経験も何もなかったから、分からないところをどうにか学ばねばと介護士の初任者研修から学び始めた。それが一年前。
写真のことならスルスル頭に入るけれど、朝から夕方まで机に座って授業を聴いたり、数少ない休みの日に一日中人と議論を交わしたりするのは結構しんどかった。
今日も連勤からの疲れが出て、授業中立ったまま寝ていた。

「人生の中のほんの一瞬です」

長かったですと実務者研修修了の感想を言ったら医療的ケアの講師の先生が言った。長いと感じるその時間は、人生の中では短いひと時であると。

自分はそんなに器用な人間ではない。パンクしてしまうので、頭に入らない以上の予定は入れないようにしている。それでも親としてやらねばならないことは、頭に入らない以上の数があって、わたしは全てをこなせてはいない。

「時間になっても来なかったらママ寝てるから先生電話かけて」

数日前、職員室に着いて担任の先生を探していると、わたしの携帯が鳴る。振り返った先生が受話器を置いてこちらに笑顔で向かってくる。

情けないところを見せる。大人は完璧じゃないし、子どもより忘れ物をする。転ぶことだってあるし、うまく感情の整理が出来ないことも多い。
かっこいい背中を我が子に見せたいとは思いつつ、かっこわるい姿を見せている数の方が多いのではないか。


「おほさん、皆を楽しませてくれてありがとうな。たまにはインスタ覗きにきてな」

フォロワー数5,000人以上いる介護講師は、名探偵コナンの格好をしたり、女装をしたりしながらInstagramをアップしていた。情けない姿でも人に勇気やパワーを与えるのかもしれない。それはその人の人徳や人間力がなせる技なのか。


人のご縁は一瞬でも、関わった時点で一生繋がる何かにはなるのかもしれない。京都の縁切り寺に行ってから、少し人間関係が楽になった。上手くできない自分でもついてきてくれる人がいること。切れた縁にも感謝を持つこと。
やっとここ一年くらい続いていたごちゃごちゃした感じがシンプルに見えるようになってきた。

二兎を追う者は一兎をも得ずとは言うが、ふたつ追うことは決して間違いではない。けれども、自分の身体はひとつであって、追うならひとつを追うほうが追いやすいよね。
二年後、介護福祉士と社会福祉士を同時受験する。その頃の自分はいったい何を追おうとしているのだろうか。さて、風が冷えてきた。子どもたち連れてお疲れさまがてら外食に行こう!



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今ある時間を大切に。
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