【産婦人科のリハビリ日記】#28. PTとして産婦人科にいてよかったと思ったこと
産婦人科のクリニックで、産前産後リハビリの外来・入院中のケア・マザークラスでの講和・妊婦さん向けのインナーマッスルエクササイズなどを担当させていただくお仕事をしています。
PT1人で入っているからなのか、「私ちゃんとこのクリニックの役に立ててるかなぁ?」って不安になることがよくあるんですが、対応させてもらった患者さんによっては
って思うこともありましたので、今回はPTとして産婦人科に存在していてよかったと思ったことをまとめてみます。
■痛みを言語化してあげられる
骨盤の神経的な痛みだったんですが、一般の方にとってはどんな痛みも「痛い」という表現になってしまうことがあって、なかなかうまく伝えられないもどかしさがあったようです。
ご家族に「腰が痛い」と訴えても、「揉んであげようか?」としか言われず、そういう感じじゃないとなんとなく思っていても、それをうまく伝えられないとなると、それは辛かったかもしれない…
理学療法って痛みの評価をするので
どんな種類の痛みで、何をすると痛くて…というのを一緒に言語化してあげられるし、その辛さはわかってあげられる。しかも内臓系由来ではない痛みに対しての対応や対策をしてあげられる。
・辛さを訴える先があること
・痛みを理解してもらえること
・対策をしてもらえること
・予後についてある程度知ることができること
は妊産婦さんにとっての安心材料になったようで、理学療法士としてここに存在していてよかったなと思いました。
■身体が楽になることを体感できる
赤ちゃんが泣いても無表情で何も言わず淡々としていて、大丈夫かな…と見ていて少し心配になる方が、身体のあちこちの痛みを訴えて理学療法を受けにきてくださり、何回か対応させてもらった日に言われた言葉でした。
妊娠前からの痛みが産後にもひどく出ていたようで、その対応をすると、明らかな変化を感じてくださったようで。徐々に笑顔が出るようになってきたことに私もなんとなくホッとして。
産後特有のホルモンによる精神的な不安は、私も経験があるのでわかるんですけど、この方にとっては身体の痛みがその背景にあってメンタル低下の引き金だったかもしれない。
身体の変化を明確に感じられたことで、気持ちも軽くなった面があったのだとしたら、私、産婦人科でリハビリの外来していてよかったかもって思った出来事でした。
■筋筋膜に関連する不調
なかなか一般的には理解してもらえない「廃用性の筋力低下」を理解してあげられることや、「骨盤底筋を動かしてるつもりだけど動かせない」という状態を理解してあげられることなど、他にもいてよかったなと思ったことは本当に色々あります。
筋筋膜に関連する不調・もどかしさ・違和感などを理解できる専門職が産婦人科には通常いないし、妊産婦さんも産婦人科のスタッフさんもみんなが「その分野の専門家って誰なの?」状態にあるんですよね。
そのピースを埋めることができるのが理学療法士なんだな〜というのを、先日Twitterのスペースで産婦人科医の先生ともお話していて改めて実感しましたし、今後全国にたくさんこの分野のPTさんが増えていくといいなと願っています。