【産婦人科のリハビリ日記】#20. 抱っこは産後のADL
産前産後の特徴的な部分としては
「妊娠中〜産後の解剖生理学的な変化」が
すごく大きいと思うんですが
理学療法士的な目線で考えた時、
私は個人的に産後特有のADLとして
●授乳
●抱っこ
がすごく特徴的だなと感じています。
産後の生活の大部分を
上記の2つが占めていますよね。
■産後すぐの体にとっての負担
出産したら急に抱っこが日常になってくるけど
体はまだ全然日常ではなくて
抗重力位で自分の体をニュートラルに保つことさえ
大変な状態でもあるんですよね...
そこに3〜4kgの赤ちゃんを
抱っこして行く生活。
無理な姿勢にならざるを得ない部分は
やっぱりあるなって思う反面
「いい形」のイメージだけでもあると
多少意識できることも
あるかもしれないなとも思います。
■お尻に違和感がある人に聞くと...
妊産婦さんで
なんかお尻のあたりが痛くて...
という方に聞くと
上のお子さんを抱っこする時に
骨盤にひっかけるような抱っこしてた
っていう方も結構多い印象があります。
それに対して
「こうやって真っ直ぐ体の正面で抱っこするんだよ」
って言うのは簡単だけど
たぶんそれは
「母親」には非現実的とも言えるんだろうな
も感じたりもします。
■母親は常に「〜しながら」の生活
骨盤にひっかけて抱っこする場面って
「部屋を片付けながら」
「料理をしながら」
腰が痛いから抱っこちょっと辛い!ごめん...!
って赤ちゃんをコロンと寝かせると
やだーー!!って泣く。
泣かれると気になって
結局家事ができない。
しょうがないな〜って抱っこする。
抱っこしたら泣き止む。
じゃあ抱っこしながら家事するか...
ってなるんですよね。
そうなると、家事をするためには
片手をあけないといけないけど
赤ちゃんの重みを支えるのに
片手では無理だから
骨盤の上に乗せて分散させる...
■提案はその人の生活によりけり
体に負担の少ない抱っこの方法は
知識として知っててもらいたいから
皆さんにお伝えはするんですが
それに縛られてしまうと
家事が進まなくなって
それがストレスになっちゃう人もいる...
赤ちゃん多少泣いてても大丈夫だよ
って言ったって
集合住宅とかで近所の目が気になることもある。
自分が耐えられない時もある。
おんぶが苦手な人もいる
抱っこ紐が面倒って思う人もいる
足台使うと返って腰が痛い人もいる
いろんな方がいるし
いろんな赤ちゃんがいるし
いろんな生活環境があるから
一概には言えないところがあるなって
いつも思います。
■信頼関係を作る
人の生活に踏み込むのって
やっぱり結構大変なことで...
でも、ADLやQOLのことを考えた時
やっぱりPTとして大事なのは
そう言う部分だったりしますよね。
その部分を掘り下げられるだけの
信頼関係を作る大切さを
最近改めて感じています。
改めて...
抱っこは産後のADL。