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【産婦人科のリハビリ日記】#29.インナーユニットの大切さを伝える

産婦人科で入院中の産後の方のところを回らせてもらっていたり、外来で産前産後の体のケアをさせてもらったりしています。

トラブルがある方は評価をした上で、必要なことを行うといういわゆる理学療法の対応をしています。が、中には特にトラブル的なものがない方もみえます。
じゃあそのままでいいかというとそういうわけではなく、産前産後に特有なのは、インナーユニットのエクササイズや再教育が必須な部分なので、ここをお伝えするようなことも合わせて行なっています。

インナーユニットのことを妊産婦さんに丁寧に説明してお伝えすると、

●だからなかなかお腹が戻らないんですね
●だから私ずっと肩こりなんですね
●だから何回体のケアに通っても戻っちゃってたんですね
●だからくしゃみで尿もれをしちゃってたんですね

とすごく納得してもらえて、みなさん晴れやかな表情になるんですよね。

◾️産前産後の体の変化は骨盤だけじゃない

一般の方だと、産前産後の体の不調の原因を「骨盤」の歪みだとか開きだとかっていう風に捉えている方がすごく多いのが現状です。

だから、みんな
●産後に骨盤をどうにかしなきゃ大変なことになる
●産後は骨盤をなんとかしたら、諸々の不調は良くなる
と思ってしまっているような印象も受けます。

で、実際に骨盤をケアしに行くけど、結局何も変わらなかったり、その後にまた不調がぶり返したりするので、不安になっちゃうんですよね。

妊娠や分娩による体の変化は、骨盤そのものにももちろんあるんですが、それだけではなくて、

【妊娠や分娩による筋骨格系の変化】
●胸郭が開く(肋骨下角が広がる)
●腹横筋が伸長される
●骨盤底筋が伸長される
●靭帯が弛緩する
●人によって腰椎前弯が減少(多裂筋が機能低下)
●大殿筋の廃用的な機能低下

などが主な部分。
結果的に骨盤をコントロールしづらい環境にはなっているんですが、「骨盤が開いた」の一言で片付けてしまうのは無理があるので、一般の方の認識ももう少し変えていければいいな〜って思ったりします。

◾️腹筋が伸ばされたという事実

インナーユニットの変化について、一般の妊産婦さんに説明すると、結構驚かれるのが、「妊娠によって腹筋が伸ばされた」という事実です。

お腹が大きくなる=子宮、皮膚

はイメージがつくようですが、「筋肉が伸ばされる」というののイメージがついている方は少ない印象です。
「よく考えたらそりゃそうか…」と言われることが多くて、筋肉の存在感がないのが実態としてあるなぁと感じます。

筋肉の話って妊娠期間中に説明を受けることもなかったので、確かに認識する機会がないのかもしれません。
今後、そういうところが課題なのかもしれないな〜って思ったりします。

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近藤カナ@産科の理学療法士
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