【ご質問】産婦人科での理学療法士の求人がないのですが...
産前産後分野に興味のある理学療法士さんから、時々ご質問をいただきます。ご質問内容が割と同じものが多いので、noteにまとめています。
今日のご質問はこちら。
私のきっかけなどは、過去にも色々と記事を書いているので、そちらをご参照いただければと思います。リンク貼っておきますね。
今日は、もう一つの「産婦人科での理学療法士の求人」について少しお話ができればな〜と思います。
結論
求人は基本的にないです。
でも実際に産婦人科クリニックで働いているPTさんはいらっしゃいますし、総合病院であれば理学療法士が産婦人科と連携をとりながら入院中の妊婦さんの対応をしているケースも増えてきているかと思います。
なんで求人がないのか?どうしたらいいのか?などを以下で解説・考察していきますね。
解説
1. 産婦人科で求人がない理由
①施設基準
基本的に病院の理学療法士って、保険のシステムの中にいるんですよね。
総合病院で、産婦人科もリハビリ科もあるのであればともかく、産婦人科の単科クリニックではリハビリの施設基準が満たせないですし、理学療法士が保険点数を取ることが難しいという現状はあると思います。
②必要性が示されていない
産前産後の理学療法に関する日本での学術的な研究ってまだまだ少ないですよね。「こういう人に対してこういうことをする必要がある」という裏付けも少なく、理学療法の必要性がそもそも示されていない中で、やはり介入まで行き着く難しさというものもあるかなと思います。
③そもそも理学療法士が知られていない
でもなんだかんだで、これが一番な気がしてます。
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そもそも産婦人科で
理学療法士の存在が知られてない
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一般的に「理学療法士が行うリハビリ」と他職種の方が聞くと、「高齢者や障害の方のためのもの」という印象が強いので、妊婦さんやママも対象になるとは思わなかったと言われたりします。
産婦人科の専門職の方達に、理学療法士の専門性を理解してもらう機会が今までなかったですもんね…
ということで、そもそも産婦人科で理学療法士を雇おうという話になることはあんまり現実的にはないんですよね…
2.どうすれば妊産婦さんに関われる?
じゃあ今後、妊産婦さんに関わっていきたいとなった時にはどうしたらいいのか?という所が皆さんが気になる部分ですよね。
一般的な流れのように、「職場に入ってその分野のことを先輩から学びながら働く」みたいな、自分のキャリアのための就職と考えていると、まず難しいかなと思うのです。
まだまだ全然そんな状態ではなく、自ら周囲との関係性を作ったり、システムを作ったりして切り拓いていくくらいの段階だと思っていていただけるといいかもしれません。
今働いている人たちも
などなどいろんなケースがありますが、オーダーがきたという例以外は、いずれにしても行動して得られたご縁から繋がってのことなんですよね。
今できることは、
「勉強したいけど、すぐに介入できる見込みがある訳じゃないから、セミナー代を考えるとなかなか…」という方からのご相談も時々受けます。
でも、介入できることが決まってから勉強するのでは、ちょっと遅いかもしれません。妊産婦さんは一般のリハビリ患者さんのように、毎日とか毎週とか頻繁に介入することはできないので、1回1回の対応がすごく大事ですしね…
産婦人科や泌尿器科の知識を一から勉強しようと思うと、なかなか大変なことでもありますし…
自分の生活環境や経済的な面は自分で管理をしながら、どのくらいまで自己投資ができるかを考えつつ、どのくらいこの分野への想いがあるのか?を自問自答しながら、少しずつできる範囲を自分で決めて進んでいくことも大切じゃないかな〜とも思っています。
「どっかで求人でないかな〜」
「産婦人科からリハオーダー出ないかな〜」
「どこかから声かからないかな〜」
と待っていてもチャンスは来ないので、今できることでとにかく動いてみるというのが大事かなと思っています。
動いている人って、どこかで誰かが見てくれているものなんですよね。行動力はやっぱり大事です。動いてみないとわからないこともたくさんあります。
すごくハードルが高く感じることもあるかもしれないんですが、自分なりの一歩で十分だと思うんですよ。だんだん歩幅が大きくなっていきます。一歩を踏み出せるかどうか?でその先は変わってくるので、ちょっとやってみよ〜くらいの気持ちで何かを始めてみる先に、未来はあるのではないでしょうか。