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【産婦人科のリハビリ日記】#13. 骨盤痛のある妊婦さんが抱える不安
過去のお産にはなかったのに
今回初めてこんなに恥骨痛があって、
こんな状態でお産大丈夫かなって
すごく不安で...
と言う妊娠後期の方に出会いました。
■妊娠中の骨盤痛
妊娠中の恥骨結合痛や仙腸関節痛は
決して少なくはないです。
妊娠中の骨盤痛:75.8%(n=623)
(初期:66.1% 中期:68.2% 後期:81.4%)
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjam/23/1/23_1_48/_pdf/-char/ja より
妊娠後期には8割...
本当に多いんだなと数字を見ても感じます。
■痛みを抱える妊婦さんの不安
リハビリに見える妊婦さんに
お話を伺っていると
不安に思うことも色々違うなと感じます。
▶︎わからない不安
ネットで調べて骨盤ベルト巻いてみたけどあんまり変わらなくて...
でも妊娠中だとどこに行ったらいいのかもわからなくて...
今までは整体や接骨院に行ってたけど妊娠中は怖くて。
でも自分でもどうしようもないし不安で...
▶︎経産婦だからこその不安
今までの妊娠中は骨盤の痛みなんてなかったのに
今回はなぜか痛くてどうしていいのかわからなくて...
前回も前々回も恥骨が痛かったんです。
また今回も痛みがあったらどうしようかって不安で...
▶︎お産に対しての不安
産む時って恥骨のところ開くんですか?
恥骨が痛いのにこのままお産するのが怖くて...
■妊婦さんを取り巻く環境
出血やお腹の張りがあると不安だな
って感じるのはすごくわかるけど
骨盤の痛みからも不安を感じる方が多いんですよね。
痛みがある人はたくさんいるのに
どこに行ったらいいのかわからない
と言うのは確かに今の妊婦さんを取り巻く環境の実態
なのかもしれないと感じるんですよね。
整形外科では妊婦さんの管理が難しい。
産婦人科では骨関節に関する対応が難しい。
どちらも関わりがあるのに
どちらでもみてもらえないと言う
隙間に入っている気がします。
(明らかに整形外科的疾患なのであれば別ですが)
医療的には整形外科と産婦人科の連携があって
そこで理学療法士が担当できると
妊婦さんとしても安心感があって
一番理想的ですよね...
■理学療法士として感じること
理学療法ってリラクゼーションではないので
一人一人の評価をきちんとした上で
問題点を抽出して
それに対して対応をしていきますよね。
でも妊産婦さんのような若い女性の大半は
「理学療法」と言うものに
過去に出会ったことがない方なので、
理学療法的な対応をさせていただくと
こんな風に一人一人に対応してもらえるんですね!
痛みがなぜ起こってるのかとか
ちょっと理屈がわかったのでなんか安心しました
と言われることが結構あります。
なんか、
それだけでもちょっと安心感につながるのなら
産婦人科の中に理学療法士がいるのって
意味があるのかなぁと思ったりして。
ちなみに...私が特別なことしてるわけじゃなくて
本当に普通に理学療法をしているだけなんですよ。
大きな怪我とかしたことなければ
若い女性がPTに出会う機会なんてないので
産前産後リハビリとか言ったって
民間のマッサージ屋さんみたいな認識の方が多いんですよね...笑
どの妊婦さんにも安心してお産に臨んでもらいたいし
どのママさんにも安心して育児してもらいたいし
そこに少しでもつながるような臨床を
これからもしていきたいなぁ。
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