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投資助言・代理業登録1周年の節目に考えたこと
先週、別のところで、特定の方向けに書かせていただいた記事ですが、せっかくなので公開させていただきます(多少編集入れています)。
ちょうど弊社(株式会社メデュ)の投資助言・代理業1周年のタイミングなので、決意表明を熱く語ってみたいと思います。
弊社は2017年8月に創業しました。
投資助言業登録まで、2年半かかりましたが、昨年無事登録を完了し、FX投資助言サービスを開始しました。
事業としては、メデュを選んでくださった顧客に資産を増やしていただくことを最大のミッションとしています。
もちろん、資産は、お金だけではありません。
お金は非常に大事な部分ですが、社会的な信頼を裏切る行為をして、その結果お客様の資産を増やすことができても、結局は土台が崩れてそんな資産は失われるだろうと思っています。
さて、メデュ創業4年、投資助言・代理業1年の節目に、メデュはもちろんのこと、私自身がこの事業に取り組んでいる理由、そして思いをあらためてお伝えしなければと思っています。
私がはじめて日本のFX業界に入ったのは2013年のことでした。
それまでは個人投資家として、中国に住みながら、FXや不動産を中心に投資活動を行い、それなりに充実した日々を送っていました。
この時は、自分がFXの投資助言者として働かせていただくことになるとは思ってもいませんでした。
しかし私の中にあった一つの思い、それは、個人投資家にとってFXの投資環境が悪すぎる、ということでした。
FXは個人的な取引行為であり、相対取引でもなければ、インサイダー情報等もありませんので、普通に考えるなら、個人投資家にとっては、これほど公平で、他者が理由で大きな損失を被るリスクの低い投資はないと考えていました。
不動産や株式のように知識や情報のない人がカモになったり、ババをつかまされることもないはずだと思っていたのです。
もちろんレバレッジを上げすぎる、身の丈に合わない取引を頻繁にしすぎるなど、もちろん問題はありますが、いずれも自分でコントロールできることです。
ところが、です。
日本のFX業界の構図が見えてくるにつれ、不動産や株式のような表立った搾取行為はないけれども、不動産や株式に決して負けない、いや隠れているからより質の悪い搾取構造になっていることがわかりました。
初心者を煽っては、ハイレバレッジの取引に誘導したり、デイトレードやスキャルピングでないと稼げないと言っては、そもそもデイトレ不適合のライフスタイルを送っている人にまでデイトレを強要するなど、枚挙にいとまがありません。
もちろん正義感や倫理観などから憤っていたわけではありません。
投資は自己責任ですし、自分から情報を見極めようとしない人が安易に投資をして損をしても、同情の余地はあまりないといえばその通りかもしれません。
ただ、日本が経済的な衰退の危機に直面して、世界での競争力が相対的に弱まってきている中で、しかも国の政策として年功序列や正社員制度から個人がより自分の人生に責任をもって生きなければならない環境に変化させるという流れがある中では、個人がもっと生きやすい社会にしていく必要があると考えていました。
個人が自己責任を理解し、自己責任を行使しやすい環境整備を後回しにした「1億総活躍」などちゃんちゃらおかしい。
そのうち「1億総投資家」なるキャッチコピーも出てくると思いますが、NISAやiDeCoでもこんなに時間がかかっている状況では、結局は金融リテラシーや投資リテラシーを無視した投資商品の開発などはほとんど意味がないということです。
個人投資家が最も気軽に、そして少ない元手で始めることができるとされているFX。
資産がほとんどない人にとって、NISAやiDeCoでは人生は変わりません(これらを否定する意図はありません。一般的には利点も多い優れた商品です(詳しく知りたい方は、大江加代さんの本がお勧めです)。
富む人はさらに富み、貧しい人はさらに貧しくなる構図は変わりません。
不動産や株を買うまとまった資金のない人は、FXに飛びつきます(こんな言い方、失礼ですがご容赦ください)。
そしてFXで大きく稼ごうとして、勝てる手法やロジックを探して、大多数の人がたどりつくのが、ハイレバやデイトレを煽って、顧客の損失を自分の利益に転嫁する人たちの発信する情報なのです。
個人投資家が負けてくれれば負けてくれるほど、依存してくれるので、ビジネスはうまくまわります。
商材販売業者やYouTuberならまだしも、大手銀行の為替ディーラーやファンド出身者なども同じような商売をしているように見えました。
私たちは、欲に目がくらむと、判断力が鈍ります。
常識ではわかることが、FXとなると、ついつい私たちが数十年かけて培ってきた「常識力」を捨ててしまうことがあるのです。
FX投資助言をやりながら、FXを通して関わる方々と一緒に金融リテラシーを高めていき、資産を増やし、守り、その先の人生の目標に少しでも到達していけるような、そんな事業をやりたかった、それが私のFX投資助言の原点です。
稼げる手法を伝えるだけなら他の人もやっていると思いますし、チャート分析の方法を教えるだけなら私より研究熱心な方がたくさんいると思います。
あえて私が新たに何かをする必要がないなら、他の方に任せておけばよいと思っています。
しかしそうではないと思った。
私にはFXの世界で明確な役割があると確信したからこそ、FX投資助言に進み、遅々とした歩みながら継続させていただき、1周年を迎えるに至ったのだと思っています。
そしてもう一つ、別の大事な理由がありました。
それは、資産をある程度以上保有している方々が、よりその使命を果たし、事業や活動を通して世界を良くするための環境を整えたい、という思いです。
大きめの資産を持っている方たちは、どんな経緯でそのような資産を築かれたにせよ、責任があります。
お金持ちはお金のない(少ない)人よりも幸せだと思う人が大多数かとは思いますが、必ずしもそうではありません。
資産を持つがゆえに、それを有効に活用できているかどうかを常にだれかに監視されているように感じるプレッシャーがあったり、それらを守るためのストレスがあったり、人間関係により気を遣わなければならない心労があったり、精神的・社会的な孤立感などがあったりします。
お金は家族が困らない程度、そして老後の心配のない程度あって、やりがいのある仕事や生きがいがある程度が、いちばん幸せを感じるとのデータもあるそうです(お金がありすぎると幸福感が下がる)。
それでも事業や投資により、多くの資産を持つに至る人たちが少なからずいます。
うらやましいと感じる大多数の一般人はこんなことを言っても信じられないでしょうが、ある意味彼らは自分の幸福を犠牲にしながら、資産を保有するという大きな仕事をしているという側面もあるわけです。
私が弊社の会員さんにお伝えしている言葉があります。
「1億円は欲」
「10億円は野心」
「100億円は志」
1億円は自分で使い切ることのできる金額です。
自分の家を買ったり、子どもを留学させたり、良い生活をしたりしたらすぐになくなる金額。
ですから、これは自分のためだけに欲しいお金ということであり、「欲」からきています。
10億円は自分で消費して使い切るには少し大きすぎる金額です。
事業をしたり、不動産投資やファンド運営なども可能になるでしょう。
自分の生活をよくしたいという欲は超えていますが、何かを成し遂げたいという「野心」からきています。
100億円は自分の生活や投資だけに使うには通常は手に余ります(そうでない人もいますが)。
自分の利益だけを追求するにはもう十分な金額なので、社会的な貢献をしたいという思いがないと管理できません。
これは「志」といえるでしょう。
1億円がほしい人と、100億円がほしい人のどちらが欲深いか?
1億円がほしいと思っている人の方が欲深い、ということです。
なぜなら自分のことしか考えていないから。
私がこのお話をし始めたのはもう10年くらい前になりますから、その時と比べると今は法定通貨の価値が下がり(インフレ)、2~3倍くらいが肌感覚としてあっていると感じる人もいるかもしれません。
その場合は、3億、30億、300億です。
まとまった資産を活用して社会的責任を果たすには、知恵と知識とスキルはもちろんのこと、人間性(マインドともいう)も必要になります。
そういった方々をサポートしたい、という思いが私にはありました。
最初にそれが形になったのは中国での経験でした。
富裕層の方々と関わるようになって、彼らが自分の使命を果たすことのできるために自分には何ができるだろうか?との思いがいつもありました。
日本のメディアばかり見ている人は、中国人富裕層と聞くと、いつも「爆買い」していたり、汚職で稼いだお金をマネロンしたり、自分の子女を溺愛して何でも買い与え海外留学もさせる、などのイメージがあると思います(笑)。
もちろんそういう人もたくさんいますが、少数です(人数は日本より多数ですが、人口が多いので相対的には少数です)。
中国人富裕層の方たちが資産防衛するための良い方法は何か。
株式投資や金投資も良いですが、FXが優れた手段だと知ったのです。
「なぜ鹿子木式は銀行預金より安全で、不動産投資より稼ぐのか?」でも書いていますが、FXは流動性、換金性に優れています。
株や不動産は銀行預金の代わりにはなりませんが、FXはやり方によっては銀行預金の利点と投資商品の利点を掛け合わせたような管理手段になりえます。
株の銘柄の研究を通して、企業の業績や、景気動向や、将来の産業構造の変化などを知ることは、非常に重要なことです。
しかし、これは世界経済全体からみればあくまでミクロの話。
よりマクロの視点に立てば、世界経済の血液である為替を知らないで、富裕層の責任を果たすことは難しいと私は考えます。
通貨発行権、徴税権、徴兵権が、国家の3大権力と言われます。
そのうち、通貨発行権と徴税権は、為替が直接かかわっています。
また、徴兵権も、間接的に為替がかかわっています。
為替は、決して、トレーダーの遊びのためにあるのではなく、銀行窓口の営業のためにあるのでもなく、世界経済を見るためにあるのだと思います。
富裕層の方々に、株や不動産だけでなく、為替にも親しんでいただく。
これが私の願いのひとつとなっています。
為替は投機ではありますが、投機は決して悪いことではありません。
投資と投機の両方の側面を知り、活用できるようになることが、富裕層の責任だと思っています。
個人資産を作りたいだけならば、本来投機は必要ないのです。
投資して、ゆっくり資産を築き、増やしていけばよいのだと思います。
FXも不要かもしれません。
しかし逆に、個人レベルを超えて資産を築き、社会的責任を果たしながら、使命をまっとうしていく人々には、投機を知ることも重要なのではないかと思っています。
そういうわけで、私個人としても、私の経営する株式会社メデュとしても、FXには特別な価値を見出しており、これをたんにお小遣い稼ぎで終わらせたくないという願いがあります。
もちろん、お小遣い稼ぎは良いことですし、収入を増やすことも大事なことなので、そこは手を抜かずにサポートさせていただくのは当然のことではありますが。
投資助言・代理業登録、そして助言サービス1周年の節目に、私の原点に立ち返ってみました。