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ミスチルの忘れられない歌詞


人生の師匠 Mr.children


21年間、もっと言えば生まれる前から聴いていたかもしれない

Mr.children。

未来に向けて希望を見せる時もあれば、

ドロドロした血の様な深い闇に寄り添ってくれる。

Mr.childrenの曲はまだ21年しか生きてない私に人生の全てを

教えてくれた、最低の不条理から最高の至福まで。


私はMr.childrenの曲のとある歌詞がずっと頭から離れないでいる。

Mr.childrenの書く歌詞はどれも小説の一文みたいに

頭に焼きつくフレーズのものばかりだが、

「I♡U」というアルバムにある「Drawing」という曲をご存知だろうか。


永遠の儚さをドローイングで表現した巧みな歌詞


「HANABI」や「シーソーゲーム~勇敢な恋の歌~」に比べたら

あまり知られていないアルバム曲だが、

その曲の歌詞があまりにも、美しくて、儚くて

Drawingという題名の通り、この曲で絵画が一枚描けそうなほど

情景を描写する歌詞の表現が巧みである。


ストーリー

この曲は、恋人と過ごす何気ない幸せの時間に浸る男が主人公。

この幸せが永遠に続くことを願うが、

最初は色鮮やかでも時が経つと色褪せる絵のように

心のどこかでこの気持ちに終わりがくるかもしれない事を恐れている。

永遠などは所詮形のない幻影で、儚いものだと悟っているから。


この素晴らしい 煩わしい

気持ちを真空パックして おけないもんかなあ


そう願う男だが、

この歌詞がずっと私の頭にこびりついて離れない。

「この気持ちを忘れたくない」という心情をあえて

「真空パック」という言葉に置き換えるセンスが秀逸すぎるし、

おけないもんかなあ、と期待を込めつつどこかで諦めた様なニュアンスを

残すのが、しっかりと現実を見せるミスチルらしい部分とも。


そして世界は変わる


私はこの曲を初めて聞いた時から、世界の見方が広がった様な感動に

鳥肌が立った。表現の世界はこんなにも広くて美しいのか、と。

今幸せだな、と感じる瞬間に、「今幸せだな」ではなく

「この気持ちを真空パックしておけたらな」と思う様になった。

そして、その一瞬の幸せの儚さに思いを馳せ、

その一瞬を大切にしたいと思えた。

そしてたまに、どうしようもなく許せないことがあった時とかも

同じ様な事を思ったりする。

「絶対忘れてやんねーからな」って。


Drawingが伝えたかった事


この曲のストーリーは永遠を儚んで終わりではない。

「どんな場面でも 僕の絵には必ず君が描かれていて

目を閉じたまま深呼吸すればわかる

君はいつも 僕のノートに」


「君と共に、僕の元に

そしていつも僕のノートに」

幸せな記憶は時と共に色褪せて、絵に残そうとしてもいずれ霞んでしまう。

でも、自分の心の中にあるノートに記した記憶は「僕」がいる限り

君と共に残り続ける。


とある先生が、

「お金は天国へ持っていけないが、思い出は魂と共にどこまででも行ける」

という言葉を教えてくれた。

「君」からもらった贈り物や大切な車は永遠に残らないかもしれない。

でも、

それをもらった瞬間の「君」の喜んだ顔、

車に乗って二人でどこまでも行けるだと笑った時間、

その瞬間は永遠に「僕」の心のノートからは消えることはないのだろう。



まじで騙されたと思って聴いて

「Drawing」だが、歌詞だけでなくメロディや最後に来る壮大な曲調の

変化によるどんでん返しも見所なので、その美しい世界観に浸って欲しい。

聴き終わったらきっと歌詞の情景を絵に描いてみたくなるはずだ。

いわゆる「しっとりバラード」が一番苦手な私が

ミスチルの曲の中で上位を争うほど大好きな曲で、

初めて「銀河鉄道の夜」を読んだ時も同じような感動があった。

とにかく一度聴いて損はない。



おわりに


私は昔3年ほど日記を続けていたことがある。

その日記には「いいこと日記」という名前をつけて、

どうしても忘れたくない幸せな瞬間を思い出せる様に記録を書いていた。

さっきまであんな解説をしておいてあれだが、

私のように記憶がすぐ消し去られる忘れっぽい人は

ちゃんと「本物のノート」に思い出を残しておく事をおすすめする。

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