ウィンナーvsハム CO2排出量が少ないのはどっち?!
先日カーボンフットプリントの記事を紹介しました。食品や衣料品などの商品が排出するCO2を消費者に見える化する取り組みです。スーパーでのお買い物で、値札のようにCO2の量を比べる時代が来るかも?!に興味を持っていただいた方向けに、自動車部品会社のカーボンニュートラル部署に配属されたばかりの私が、子供も大人も大好き「ウィンナー」と「ハム」のカーボンフットプリントを素人目線で比較し、解説します!
カーボンフットプリントがどのように計算されているのか?を知って、皆さんが普段手にする商品や、お勤めの会社の商品やサービスのCO2について考える手助けになればと思います。
今回取り上げるのは、日本ハム「森の薫りあらびきウィンナー」「森の薫りロースハム」です。
CO2計算範囲は「ゆりかごから墓場まで」
カーボンフットプリントでは、どこで発生するCO2を計算するのでしょうか?日本ハムの工場で発生するCO2でしょうか?カーボンフットプリント(CFPプログラム)のHPによると、「商品やサービスの原材料調達から廃棄・リサイクルに至るまでのライフサイクル全体を通して排出される温室効果ガスの排出量をCO2に換算して、商品やサービスに分かりやすく表示する仕組みです。」とあります。
原材料(豚肉)だけではなく、家庭での冷蔵庫保管、調理、さらにはパッケージのごみ処理時に発生するCO2も計算に入れるのです。
自社工場に太陽光発電を置いたり、省エネするだけではなく、会社の外も、自社商品が関わるサプライチェーン全体でCO2を把握し、削減活動をする事が企業に求められているのです。この考え方を個人に置き換えてみたらどうでしょう?各家庭で省エネする事に加え、自分が購入する商品の原材料や製造過程のCO2はどれくらいか?ゴミになる梱包材は多すぎないか?という見方が出来れば、消費者の環境意識が高まり、社会全体が一気に変わると思いませんか?
ウィンナーVSハム CO2徹底比較
前置きが長くなりました。ウィンナーとハムCO2量を比較していきましょう。皆さんはどちらが少ないと思いますか?全く想像つかないですよね。
ではまず結果から。CO2排出量が少ないのは「ハム」という結果になりました。(ソーセージ、ハムのCO2排出量を1gあたりに換算して比較しています。)
では中身を見ていきましょう。最もCO2を排出している「原材料調達」ではソーセージの方がCO2が少ない、次にCO2排出量の多い「生産」ではハムの方がCO2が少ない。という結果でした。カーボンフットプリントの「ゆりかごから墓場まで」をイメージする為に、ソーセージとハムの製造工程を見ていきましょう。
ソーセージはひき肉にして、ハムは大きなかたまりごと使うとあります。パッケージ裏面の原料を見ると、ソーセージは豚肉の他に水あめなどが記載されているので、ソーセージ、ハムおなじ1gの中でも、豚肉の使用料がソーセージの方が少ないのかもしれません。
次に生産ですが、ソーセージは8工程、ハムは7工程。ハムはひき肉にする工程が無い分CO2排出量が少ない。という事でしょう。
そして、次に注目は「使用維持管理」の項目で、ここが最も差が出た個所です。ここは消費者(家庭やレストラン)での冷蔵庫保存、調理で発生するCO2を指します。ハムとソーセージは要冷蔵なのでどちらも冷蔵庫で保存します。となると、調理に違いが出ているという事です。みなさん、ソーセージはどう調理しますか?焼いたり茹でたり、火を通しますよね。一方ハムは?生で食べる事が多いのではないでしょうか?ハムは火を通さない分CO2が少ないという結果になりました。
いかがでしたでしょうか?カーボンフットプリントがどう計算されていて、CO2排出がどこで発生するのかイメージついたのではないでしょうか。
気になるお値段は?
ハムの方が環境に優しいんだな。じゃぁ今後はソーセージよりハムを積極的に選ぼう!とならないのが、我々財布の紐の固い消費者です。
ソーセージとハム、皆さんどちらをよく選びますか?子供のいる家庭ではダンゼン、安くてボリュームがあるのはソーセージですよね。
さてお値段は・・・
ソーセージは1gあたり1.81円、ハムは1gあたり3.50円という結果でした。ハム高い。。。
地球には優しいけどお財布には優しくないハム。
我が家はハムの代わりにシーチキンを使う事が多いので、今度ハムとシーチキンのCO2比べてみたいなと思っております!
まずは知ることからスタートです。ハム、ソーセージを手に取る際は、ぜひカーボンフットプリントと値札を見比べて、どっちにしようかな〜と悩んでみてください♪
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