見出し画像

空き家再生の工事はリスクがいっぱい

空き家再生の工事は、玄人でも想定通りにいかないという話。

私はこれまで、何度も空き家再生に関わりましたし、自分でも解体、塗装、電気工事(第二種電気工事士資格は保有しています)、クロス貼り、床材貼り、他にもありとあらゆるDIYの類も大体経験しました。

京壁削りの初日
まだ過酷な作業であることを自覚していない


しかし…、今でも、空き家再生の工事は怖いです(笑)

それくらい、リスクがいっぱいであることを知っているからです。

今まで、数えきれないほど痛い目にあいました。

空き家というのは、ずっと住まれていなかっただけに、所有者も、どこに欠陥があるのか、把握していません。

そのため、基本的に空き家所有者は売主としての責任(契約不適合責任)を取らないことを条件に売却します。

もちろん、それで構わないですし、そうすべきだと思います。

そのため、再生工事を始めた後に判明した欠陥については、空き家を買い取った者が自分でリスクを負わなければなりません。

あとから、元空き家所有者に責任追及など出来ないのです。

そして、再生工事を始めた後には、次から次へと問題が発覚します。

・床下がシロアリにより腐敗していた
・屋根の下地が腐っている
・天井裏に雨漏りがしている
・設備に電源を入れてみたが稼働しない
・電気配線が適切にされていない

シロアリで腐食した床下の根太
錆び付いたトタン屋根


こんなものは、ほんの一例に過ぎません。

厳密に数えると、軽く100以上は問題が発覚します。

空き家の再生工事というのは、本当にふたを開けてみなければどうなるか分かりません。

50万円で直せるのか、500万円ないと直せないのか。

1ヶ月で直せるのか、半年かかるのか。

これは、例え相当な経験を積んだ者でも完全に予測できません。

なぜなら、工事を始めるまでは確認しようのない事が多すぎるのです。

例えば、床下の根太や大引きという箇所に問題があるかないか、といったことは、床をめくらないと確認できません。

屋根やクラックも場合によっては、足場を組んでからじゃないと気付かない箇所もあります。

電気配線も、電気契約をして確認しないと分かりません。

つまり、経験者であるからといって、空き家の再生工事にいくらかかるか、どのくらいで直せるのか、そもそも直せるのか、ということが判断しきれないのです。

それくらい、難しい。

これを、全く専門家ではない空き家所有者がやるべきでないことは、言うまでもないと思います。

そのため、空き家というのは放置されて当然とも思います。

仮に、プロの工事業者に依頼したからといって、所有者自身がどこを直して、どこを直さないかを適切に伝えることが出来なければ、工事金額は非常に高くなってしまいます。

それは、空き家というのは、直しだすとキリがなく、本来は全て直すということになるからです。

当然、プロの工事業者から見ると、直さないといけないところは、全て直すのが基本だと考えるでしょう。

屋根は全面貼り替えではなくカバー工法で妥協


しかし、空き家の再生工事というのは、利活用を前提としています。

そのため、収益性を考えて、どのくらいの予算で直すのかを逆算して決めます(もちろん、なかなかそれ通りにはいかないのですが・・・)。

そして、絶対に直さなければいけないところ、妥協しても良いところ、これは所有者自身が判断する問題です。

したがって、空き家所有者が、
①利活用方法に関する専門性
②再生工事に関する知識と経験
の両方を兼ね備えて初めて、空き家再生工事に踏み切ることが出来ます。

もちろん、誰しも最初は経験者ではありません。

私は、行政書士として許認可等申請に精通していたことや、大家の経験もありましたので、①についてはありました。

しかし、②については、ほとんどなかったので、とにかく痛い目を何度も見て、知識と経験を得たと言えます。

それはそれは辛い日々でした(笑)

想定外のことが起きては、資金繰りに奔走し、対応してくれる業者巡りの繰り返しです。

そして、今でも尚、そんな感じです。

決して、スマートに空き家再生をしているわけではありません。

ビビりながら、なんとか無理矢理やっているのです。

空き家再生というのは、そうゆうものなのです。

空き家再生、やりたくなったでしょうか?

相当な覚悟を持って臨まれることをオススメします。

それでは!


いいなと思ったら応援しよう!