飯能市の人口減少が30%と推計されている違和感
飯能市の人口減少30%!?
ムーミンバレーパーク、メッツァビレッジ、BBQ飯能河原、西武池袋線始発「飯能駅」など、魅力溢れる飯能市。
私は飯能が大好きで、主要な活動拠点としています。
しかし実はなんと、埼玉県にある市の中で、将来の人口減少率推計ワースト4位となっています。
これは、「町」を含めても63市町の44番目という、下から数えた方が断然早い順位です。
そして、飯能市の人口減少率推計は、2045年までに脅威の30%となっています。
飯能大好き人間の私としては、この推計に納得がいかず、この数値について自分なりに分析してみたのです。。。
魅力ある街「飯能」
まず、飯能は素晴らしい街であることは間違いありません。
何が素晴らしいかというと、
・西武池袋線ですぐに都心に行ける(池袋、練馬、所沢まで一本)
・飯能駅周辺は百貨店(PePe)、商店街、飲食店が沢山ある
・テーマパーク(ムーミンバレーパーク、メッツァなど)がある
・飯能河原や山がある
など、言わずと知れたこと。
個人的にも、
・なんとなく街並みの雰囲気が良い(ほどよい田舎感)
・都心のような人混みがないけど、十分便利
・親切な人が多い
という、魅力を感じています。
皆さんも、飯能行ってみたら、きっと気に入ると思います。
私は、2020年から飯能に大きな魅力と可能性を感じ、飯能市内の空き家再生・利活用の主要拠点として活動を始めました。
飯能での空き家再生・利活用の内容や、スキームについては、興味があれば別記事や、私のプロフィールのリンクからご参照ください。
私は、空き家再生で飯能にいることが増えたこともあり、近所の方と大勢仲良くなり、話を伺う機会も沢山ありました。
今では、飯能の大きな自治会である「一丁目町内会」にも入っています。
私は、飯能市の住民ではありませんが、空き家を再生した本町にあるレンタルオフィス「KIVオフィス飯能」の管理人としての立場で、町内会長から入会を認めて頂いたのです。
最近軽薄になりつつある、いわゆる「近所付き合い」も飯能では今も良い意味で濃厚であり、近所で助け合いながら暮らしていると感じています。
人口減少率30%の違和感
そんな魅力あふれる飯能市ですが、なんと飯能市の人口は2045年には55,000人程度にまで減少するとの推計がされています(国立社会保障・人口問題研究所「日本の地域別将来推計人口(平成30年推計)」)。
これは、現在ちょうど8万人程度の飯能市の人口が、今後約23年で、25,000人も減少するということです。
減少率は30%です。
私は、この飯能市の人口減少30%の推計を見た時に、「そんなわけないだろう」と思いました。
なぜなら、私は同じ埼玉県西部エリアである坂戸市、鶴ヶ島市でも空き家再生・利活用の活動をしています。
さらに、坂戸市と飯能市の間の日高市にも良く車で通り、街並みを肌で感じていました。
そのため、私の肌感覚では、飯能市は坂戸市や鶴ヶ島市と同程度の人口減少と思っていました。
そして、日高市より人口減少は緩やかだろうとも思っていたのです。
いえ、むしろ埼玉西部エリアでは、飯能が主要都市ではないかと思っていたくらいです。
なぜなら、メインの飯能駅の周辺は、商店街も沢山あり、百貨店や飲食店も賑わっており、休日などは人混みでなかなか改札から出れないなんてこともあるくらいだからです。
しかし、国立社会保障・人口問題研究所「日本の地域別将来推計人口(平成30年推計)」において推計されている2045年までの人口減少率は、
坂戸市△19.0%
鶴ヶ島市△17.7%
日高市△25.3%
飯能市△30.7%
と、飯能市の人口減少率が圧倒的に高くなっています。
この強烈な違和感は、埼玉西部エリアの各市に行き、飯能駅に行ってみれば誰しも感じると思います。
特に飯能で生まれ育ったわけでもなく、東京から飯能に足を運んでいるに過ぎない私のような人間には、なかなか理解できなかったのですが、近所の人や町内会の人と話していくうちに、少しばかり飯能のもつ特殊性に気づいていきました。
(ここからは飯能の人にとっては当たり前なこととは思います)
飯能市の実態
まず、飯能市は9つの地区に分かれています。
飯能地区
精明地区
加治地区
美杉台地区
南高麗地区
吾野地区
東吾野地区
原市場地区
名栗地区
そして、飯能、精明、加治で、飯能市全体の人口の70%以上を占めます。
美杉台は3つの地区に次いで人口が多く、比較的年齢層の若い地区です。
残りの地区は、人口が多い順に原市場、南高麗、吾野、名栗、東吾野となりますが、非常に年齢層の高いエリアで、平均年齢は50代~60代となっています。
飯能市は、埼玉県の中でも3番目に面積が広い市(193.05km2)ですので、飯能市といっても、地区によって特色が全く異なるのです。
都市部から電車で飯能に行くと、西武池袋線の元加治駅、飯能駅、で降りることになります。
元加治駅は加治地区、飯能駅は飯能地区です。
BBQで人気の飯能河原も、飯能地区。
そして、有名なムーミンバレーパークやメッツァは、精明地区です。
そのため、私が冒頭に述べた飯能のイメージは、これらの地区のイメージです。
きっと、ほとんどの人が飯能というと、これらの地区をイメージしているはずです。
なお、最近有名になってきた「農ある暮らし飯能住まい」は南高麗地区です。
人口減少率が高いワケ
さて、飯能市の人口減30%に違和感を持ってしまうのは、この飯能のイメージが、実は一部の地区に過ぎなかったということから来るものではないでしょうか。
この点、住民の平均年齢が高いほど、今後数十年単位の人口減少が激しいことは、必然であると思います。
そして、ここからは、飯能市における人口減少に対する私の仮説です。
まず、日本全体に共通する人口減少の流れに伴い、主要エリアである、飯能、精明、加治地区も当然、人口が減少していく。
次に、美杉台においては、飯能市で最も平均年齢が若いことから、そこまでの人口減少は起きない(ただし、人口そのものは多くはない)。
ここまでの地区では、30%の減少などではなく、坂戸市等と同じ程度の減少率ではないでしょうか。
しかし、残りの南高麗、吾野、東吾野、原市場、名栗といった地区は、平均年齢が60歳前後と高いため、今後数十年で急激な人口減少に陥る、といったものではないでしょうか。
平均年齢の高い南高麗、吾野、東吾野、原市場、名栗は、比較的飯能市における人口比率が少ないといっても、凡そ14,000人程度が住んでおり、総人口8万人の飯能市にとっては、小さい存在ではありません。
冒頭述べた、2045年までに飯能市の人口は25,000人程度減少すると推計されていますが、それを考えると、これらの地区における人口減少数が大きな存在となると考えられます。
以上のことは、あくまで私の仮説です。
私は、ずっと飯能市の人口減少率があまりに高いことに違和感を持っていましたし、今でも持っています。
私の仮説は、飯能市や総務省の公表している数値に基づいて、私なりに分析してみたに過ぎません。
人口減は日本全体の問題ですので、仕方がないことではありますが、やはり活気ある町であり続けて欲しいと切に願います。
私の、飯能市における空き家再生・利活用の取組も、微力ながら町の活性化になればなぁなどと思いあがっている今日この頃です。
それでは!
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