空き家を貸すのは簡単ではない
空き家を貸すのは意外と難しいという話。
何かしらの形(大体は相続ですが)で、空き家所有者になっている人は沢山います。
その中には、空き家を誰かに貸して、大家業を始めようと思う人も多いでしょう。
その気持ちは理解できますし、当然の心理だとも思います(というより完全に放置するよりもかなり健全)。
ただ、空き家というのは、放置された期間が長いほど、直さなければいけない箇所だらけです。
そのまま貸すというのも出来なくはないですが、貸主としての修繕義務があるため、結局貸した後に次々と修繕しなければならなくなるでしょう。
そのため、空き家を賃貸する場合も、再生工事が前提となることは言うまでもありません。
そして、そのことのリスクについては、別記事で述べたので割愛しますが、つまりリスクいっぱいということです(笑)
まず、賃貸を前提とした再生工事は、想定賃料との兼ね合いから、予算を決めなければなりません。
これは、空き家再生に関わらず、不動産賃貸業というビジネスの、当然の原理原則です。
すなわち、支出する金額に見合う賃料を取れなければ、そもそも不動産賃貸業を始めるべきではないということです。
例えば、再生工事完了後に取れる賃料が7万円だと仮定しましょう。
これに対して、再生工事に必要な金額が300万円。
また、もし再生工事をしない状態で物件そのものを売却していたら、400万円であったとします。
つまり、物件価格プラス工事費用で、投資資金は700万円。
対して、得られるリターンは毎月7万円、年間にすると84万円です。
したがって、投資効率を示す利回りは、
84÷700×100=12% となります。
利回り12%というのは、不動産賃貸業を行うには上出来といえる数字です。
ただし、状態の悪い空き家を取得し、前述のようにリスクを取って再生工事を行なうのであれば、この位の利回りは高いとまでは言い難いものがあります。
視点を変えると、空き家を購入して、不動産賃貸業を行う者は、利回り12%以上を目標にしている可能性が高いということです。
さて、空き家所有者の中には、再生して賃貸することを検討する人もいますが、実際に実行に移す人は、私の経験則から非常に少ない印象です。
それは、以下のようなハードルがあり、これらを乗り越えるには、相当な専門知識や経験が必要であるからです。
・想定賃料の算出
・再生工事内容及び予算決め
・入居者募集
・賃貸後の物件管理及び入居者対応
以上のことより、空き家を賃貸することは投資効率は良いものの、専門知識を持たない所有者にとっては、非常に難易度が高いものと言えます。
最近は、空き家で手軽に大家業をしようとする風潮があるようですが、個人的には手軽とは全く正反対、本当に大変な大家業だなと感じています(笑)
それでは!
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