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[エッセイ] クマは人間とおともだちになれません。




「クマを殺すな」
「クマが可哀想」
の、声がこの国に流れている。
クマは動物です。
クマは猛獣です。
クマは人間とおともだちになれません。
私がたしか中学生だったころ、新聞にこんな記事が載っていました。
4歳か5歳ぐらいの女の子が、お父さんと一緒にどこかの動物園に行って、クマ舎までいった。
このクマ舎の金網に一部穴が空いていた、女の子はこの穴に右手を入れた。
この子の右手は、すぐにクマに喰いちぎられた。
というものです。
なぜこんなことになったのか。
そこまで詳しくは書かれていなかった。

私が思うに、日本人はクマに感情移入しやすい国民性があるのではないか。
金太郎の歌
マサカリかついだ金太郎クマにまたがりお馬の稽古。
そんな歌もある。
この歌が始まりだったのかもしれない。
クマさんの歌
ある日森の中クマさんに出会った花咲く森の中クマさんに出会った。
これもよくないのかもしれない。
もっともこの歌ではクマが「お嬢さんお逃げなさい」
と、言っている。一応。
ところがクマは追いかける。
クマは危険だという暗喩か。
しかしこの歌は、ハッピーエンドになっている。

ディズニーの罪も重いのかもしれない。
クマのプーさん。
だが調べてみると、プーさんはぬいぐるみという設定になっている。
で、プーさんの好物は、はちみつか。
さすがにディズニー。
うまく逃げ道を用意してある。

・・・・・・あの事故?あの事件?
あれから何十年たったか。
実は今でも思い出すのだ。
あの子はどうなっているのか。
あの子の父親はどうか。

ークマは動物です。
ークマは猛獣です。
ークマは人間じゃありません。
ークマは本能で生きています。
ークマは人間とおともだちになれません。




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