ーあこぎ小説ー 誰が私をこうさせたのかー 第3話
私は風俗で働けないかと思いました。
私は自分の持っているもののほとんどを売ってお金にしました。
あと、私の持っているものは自分だけです。
なら、自分の体を売ってお金にしよう、と思ったのです。
私は仕事を求めて夜の街に行きました。
しかし私を雇ってくれるお店はなかなか見つかりません。
「今はねえ、不況でね、君より若くてかわいい女の子たちだってまともな仕事に就けないんだよ。そんな子たちがこの店で大勢で働いているんだよ。他のお店をさがしてね」
こんなことばかり言われます。三十歳をすぎて顔だって十人並みの私はなかなか雇ってくれません。
やっと雇ってくれたお店は、ゴム付き本番店でした。
これは違法なお店ですが、しかたがありません。
「まったくお上はわかってない。ゴムで隔てているんだから、男性器と女性器は接触していない。つまりこれは性行為ではないんだよ。しかも安全で清潔だ。君だって性病感染や妊娠を恐れなくてもいいんだよ。罪悪感も持たなくていい。ゴムを付けた男性器なんてゴムの棒だよ。ゴムの棒で遊んでいるんだと思って働きなさい」
これがこのお店の店長さんの持論でした。
そんなものかな・・・と思って働きました。
とは言え、愛のないこのような行為はやはり女性にとっては不快なものです。
私は、ゴムの棒、ゴムの棒・・・・・・・と思って辛抱しました。
このお店で半年は働きました。
ある日。私は生理日だったので休みをもらって家でぼーっとしてテレビのニュースを見ていました。
するとニュースで、私の勤めているお店が警察に摘発されたと、報じられました。
私は捕まるかもとしばらく不安でしたが、その日は私はお店にいなかったのですから現行犯ではないわけです。それに店長さんは独自のポリシーを持っている人なので働いていた子たちを庇ってくれたようです。
結局警察は一度も来ませんでした。
でもお店はつぶされ、私は失業です。だけど半年働いてたくわえができたのであまり気にせず、また安いお酒を飲んで、家でごろごろの生活になりました。
しかし私の娘が私のことを冷たい目で見ます。
娘は進級して今は小学5年生になっていました。
いろいろとわかってくるような年頃です。
やがて私は娘の異変に気付きました。
つづく
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