さけるチーズをお弁当に入れてほしい。

小学生の頃、たまーにお弁当の日があった。
みんな、からあげやさくらんぼなど好きなものをいれてもらっていた。

そんな中、一番流行ったのが「さけるチーズ」だった。

さけるチーズを持ってきた子は一躍人気者。
「ちょっとちょうだーい!」
と友達が集まってくるのである。
私もその中のひとりだった。

ちょっと貰ったさけるチーズはとても美味しくて、もっと食べたくなった。

「そうだ!自分もお弁当にさけるチーズを入れて貰えば良いんだ!!」

そして、お母さんに
「さけるチーズをお弁当に入れてほしい。」
と頼んだ。


次のお弁当の日。さけるチーズを楽しみにお弁当の袋を開けた。

「あれ、入ってない。。。」

私は落胆した。お母さん、入れるのを忘れてしまったのだろう。そう思った。


しかし

お弁当箱を開けると、なんと、さけるチーズが入っていたのだ。

「え…?」

お弁当箱に入っていたさけるチーズは、無惨にも3つに切られていた。

私は目を疑った。

さけるチーズがお弁当箱の高さに合わせて3つに切られているのだ。

さけるチーズって切るものなんだ…
いや、違う、お母さんが食べ方を知らなかっただけだ!!

仕方ないので友達にはバレないように(恥ずかしいので)3つに切られたさけるチーズをさいてみることにした。

…短い。
短すぎてさいてる感覚がない。
「おっきたきた」って来る前に終わる。
これじゃない。なんか違う。もっと長くさきたかったのだ。私は。

こうして、私のさけるチーズデビューは終わった。


おまけ

気になる、さけるチーズの切り方は主婦力が発揮されていた。

さけるチーズはただ3つに切られていた訳ではない。

斜めに切られていたのだ。ウインナーを切るように斜め切りに。

そんな所で主婦力発揮しないでよお母さん。。。

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