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旧伊勢屋質店台帳プロジェクト その4

神奈川大学国際日本学部歴史民俗学科の学生が、跡見学園女子大学の学生と共に、文京区指定有形文化財である旧伊勢屋質店の展示コーナーの制作に取り組んでいます。展示は2024年2月から公開予定です。実施にあたっては跡見学園女子大学地域交流センター、テイケイトレード株式会社埋蔵文化財事業部、地元の地域の方々などが連携して取り組む計画です。
今回は、その1その2その3に続いて、その4をお届けします

展示計画始動!

旧伊勢屋質店台帳プロジェクトで、いよいよ展示そのものの作業が始まりました。まずは展示の大まかなテーマの話し合いを行い、計画を立てました。展示の対象としては、質屋についてあまり知らない人々を想定し、わかりやすく説明しつつ興味を持ってもらえるような展示を目標としました。展示に使えるのはごく限られたスペース。展示ケースをいくつか置いただけで随分狭くなってしまいます。そこで、展示スペースを大きく二つに分け、質屋とは何かという展示への導入を行うグループと、質入れ品の中に多く見られた着物をピックアップするグループとで作業を分担しました。導入グループでは、質屋の仕組みや台帳について説明した後、その質入れの取引内容についての分析結果を展示します。着物グループでは、より詳しく着物の種類、特に「色」について分析を行い、実際の着物や来場者が自由に触ることができるハンズオン展示を取り入れることなどを計画しています。

展示レイアウトの話し合い

実際のパネルづくりでは、まずはWordやペイントツールなどを利用してレイアウト案を作成し、パネルのデザインと印刷を行う会社に見積もりをお願いしました。それぞれのメンバーでも、オンライン会議を通して意見交換を行い、見やすい展示になっているか、パネルとパネルの内容が被っていないか、脈絡はあるかなどを確認しあいました。私は導入のグループに参加しているのですが、グラフを使うパネルで実際にデータを入れようとすると、データの種類が多すぎて載せきれなくなってしまい、カテゴリー化することでなんとか枠に納めきることができました。こうしたパネルは、自作できるものは自作し、それ以外のものは12月にまとめて会社に最終入稿を行い、完成を待ちます。

実際に展示を行う部屋での打ち合わせ(展示は常設のもの)

また、旧伊勢屋質店台帳プロジェクトと同じく、戦前の着物である銘仙に焦点をあてた「大正の夢 秘密の銘仙ものがたり」展を開催中の弥生美術館さまを訪問し、学芸員の先生や銘仙研究家の桐生正子先生にも銘仙および展示づくりについてお話をうかがう機会をいただきました。

学芸員の先生から展示についてアドバイスをいただく

その他にも、展示に利用する着物を用意したり、広報用のチラシをつくるなど、様々な準備が進められています。展示が近くなれば、実際使用する部屋での搬入の作業などもあります。2月の展示に向けて、頑張っていきたいと思います。

(歴史民俗学科2年 大屋恵実子)

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