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人材への投資


企業の能力開発

人材に投資できていない

3カ月ほど前になりますが、あるテレビ番組で紹介されていた調査結果が上記の図。企業が人材開発にどれだけの投資をしている(社外研修)かが国別になっています。バブルがはじけて30年。日本の低成長の一つはこのグラフにも顕著にあらわれているのではないでしょうか。低成長だから人を育てることもできないのか、人を育てることができないから低成長なのかいづれにしても、現実的に企業にとってできることは、人材に投資をするということです。コスト削減、人件費削減では、結果、経済は成長しないことは誰にとっても明白なことではないでしょうか。

自己投資

学生のころは、進学のために勉強していたように思います。
私は、出産とともに家事に専念。それが普通だと言われた時代でもありましたが、心のどこかでは社会から孤立しているのではという焦りもありました。パートナーのドイツ赴任にともない日本を離れて始めて「自分自身のキャリア」について真剣に考えはじめ、平日の夜に旧市街で行われていた外国人のためのドイツ語教室に通い始めました。ドイツ語しか通じないドイツ語の教室。ここから自分への投資が始まりました。

給与の25%を自己投資へ

国内外を転々とする転勤族の妻にとって、子育てと新しい環境の中で仕事を探すのはかなりのチャレンジでした。封筒の糊付けという内職の仕事は、人生の中でも忘れられない仕事です。ノルマがこなせず、徹夜したこともあります。その子どもたちは成長し、子どもたちの学費のこともありましたが、自分が働いていた組織では、研修に行かせてもらえる機会がなく、自分の給与の25%から30%を自己投資にあて仕事の合間に勉強をする日々でした。

子育てが落ち着いてから勉強をはじめる方も多い


何に熱中する人がしあわせ?

これもまた、私が「なるほど」と思ったある統計の図です。
最近、ゆめかなITスクールを開講する前に、20代~30代の若者たちに
「どんなことをしている時にしあわせだと感じるか。」
「どんな学びがあると熱中できるのか。」といった質問をしていきました。

「SNSで動画を観ているとき。」
「推しのライブに行けたとき。」
「テーマパークとかに友だちと行ったとき。」などと楽しそうに話をしてくれたのですが、学びに関しての質問は
「今は、あまり考えていない。」
「自分の子どもの教育の方が大事。」
といった答えが返ってきていました。

その一方で、私と同年代やその手前の方々に同じような質問をしてみると
「旅行に行くこと。」
「芸術鑑賞とか豊かな自然の中でのんびり過ごす。」と楽しそうに話をしてくれたのですが、学びに関しての質問は
「歴史や文化について学びを深めたい」
「子どもが大学で勉強をしているのをみて、自分も大学に行きたいと思った」
「子育ても一段落して、新しいことを学んでいく余裕ができたので何か勉強したい」
といった答えが返ってきました。
それと同時に
「仕事の中で、もっと自分の可能性が伸ばせる学びがしたかった。」
「定年前になってあらためて自分がうちこめるのは仕事だ。」
最近は、リスキリングの必要性を耳にすることも増えたことと、
やはり、経済的にも時間的にもほんの少し余裕がでてきた50代手前では仕事や勉強にしあわせを感じる人もいるということです。

働きながら学ぶことができるかどうかも新卒は気にしている

大学生の就職に対する支援業務を行っていると、応募する企業が研修を定期的に受けられるか気にする学生が多くなりました。

一つの企業で定年まで働きたいと思っている学生は非常に少なくなりました。そういった意味では、入社後に育ててもらえる環境がある方が自分にとってもプラスであると思う学生が増えました。
しかし、現状はどうでしょう。
人材に投資できていない日本に比べて、社会人になって大学に行く人も多い海外での働き方に興味をもつ学生も増えています。
日本企業ではなくて、海外企業に目をむける学生も多くなりました。

人材戦略

人的資本経営で、人材戦略に求めれられるものに3つの視点と5つの共通要素というものがあります。
要素の中には「リスキリング・学びなおし」というのがあります。
中小企業においても経営陣は経営戦略と人材戦略の連動について考える時なのではないでしょうか。


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