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あなたの、あたしの、ジレンマ。

先日はツイキャスなるものを初体験。水底から浮上した私を見つけてくれたベイビーちゃんズは日に日に増えていき、ツイッターやインスタやダイレクトなメッセージで愛を飛ばしてくれる。その全てはもう一度生きようと決めた私にとって何よりの力になる宝物だ。10年20年という長いスパンで私を愛してくれるあなたを愛でることをどうしてやめられよう。もう一度歌いたいし歌うけれども、デビューしていたあの頃とは大きく違う形でやるだろう(次の夢ネイリストなのはもう決めてるしさ、あと一歩のとこまで来てるのよ)、常にシンガーではいられない、でも常にアーティストでいることは出来るというか、まぁいるんだろう、そんな気がしている私の今日は台風が夜に父の故郷・鹿児島に上陸しようと企んでいる嵐の前の静けさなジャポネ、愛猫エメなら隣で眠る穏やかな午後、あの日の私に会いにゆく旅姿はもちろん、のんのんブラ。




だって、しようと思ってたのにできないんだもん。




speenaのデビューシングル・calm soul で首をかしげるプロデューサー。なぜにもっと売れないのだ?2枚目・スピーナで大きな歌番組とドラマの主題歌のタイアップ(榎本加奈子さん主演 ”ただいま満室” の第一回放送時、プロデューサーから電話がかかってきて同時にテレビを観てた。どこで流れるんでしょうね?たぶんもうすぐだよ、” テッテッテーン、テッテッテテーン♪” ほらきた、聞いてるか?あ、はい・・・・・・あ、speenaって文字出ましたね・・・<感涙にむせぶ>・・・周防さん、ありがとうございます、私がんばりばず・・・ふっと笑われ電話を切られた思い出)までしてもイマイチ売れないのはなぜだ?そう言われても当の私はピンとこない。いくら掛けたらいくら返ってきてトントンだ赤字だ黒字だってその辺りの音楽業界の数字だとか仕組みだとかがまるでわかってない23の小娘は、デビューしてから巻き起こっている全ての事柄が夢のようで、実感こそあれプロではまだまだなかった。

次はこれでいく、勝負だ。そう言ってプロデューサーが選んだ3枚目のシングルがジレンマだった(1枚目から3枚目まではだいぶ前から決めていたらしい)。え、ほんとに?デモ作りにもだいぶ慣れてきたこの頃の私のそれは結構アレンジも自分なりにしているものも多い中、ジレンマという曲は怒りまかせにかなぐり弾いたピアノと歌だけのそれなのに。しかめ面でイライラしながら用を足すインダトイレットで不意に浮かび、あ、出る(ある意味どっちも)とわかるや否や早々にトイレットを後にして、ノートに歌詞を書き殴ってピアノ弾いてMTRに落として歌を録ったその間5分感覚の衝動、え、ほんとにこれでいくの?雑でしかないのに不安なんですけど。




ほら、こんなんされたらブラ取れないでしょう。穏やかな彼女の世界を些末なことでぶち壊すのは、無粋。毛布感覚。あげるよ、もう。




ジレンマ / speena

レコーディングをした。またしてもストリングスにやられた。主役を奪う勢いの美しいもの。譲らないけど。メッケンさんのスライドするベースはまるで油の中を揺蕩うビー玉みたいでやられた。気高く雄々しい狼のしっぽのよう。落ちサビのようなブロックからラスサビブロックへと駆け上がるショーコのフィルにやられた。侵した罰を受けるといい、と怒り狂う私の、もうひとつの感情のよう。歌入れの記憶がわりにないのは、特に何もなかったからだ。録り方や順番なんかの指示はあれど、歌自体にアドバイスや指示をされたことはない。周防さんの歌録りディレクションでは私はいつも、素直に歌えていた気がする。

PVを撮った。丹修一イケメン監督との出会い。イメージ資料に丹監督の作品 ”ピンクスパイダー / hide ” と ” Virgin Suicides / Sofia Coppola ” をもらう。拝見し、あ、この人ちっぱい(ちっちゃなおっぱい)の美を理解してくれる人かもしれない、と勝手に親近感を覚えたそれはあながち外れてなかった、好きです。PVの世界の中の3人娘はいつも一緒で、おそろいの指輪をしている。強い絆で結ばれているから、私に何かがあったことを感覚でわかるし、声にせずとも呼ばれて来てくれる。ある程度撮ってから(欲しい画は撮れたのだろう)、ここからは好きにしていいよ、壊れてもいいから、と丹監督が近寄って指示してきた時、私はバスタブの中にいた。

画的に「おりゃーっ!」といきたくなる、いきがちなサビというところで、丹監督はいかない。美しい景色と、ゆっくり気怠く笑う私を捕まえる。なぜこの人は怒りに震えているのか、泣き出しそうに叫ぶのか、何がこの人をそうさせたのか、この人の平穏とはどんなものなのか。どんどん私に潜ってくるから心を許してしまう。壊れてもいいよ、そうあなたが言うのなら、いっか。あなたになら見せてもいっか。そんな気にさせる手練手管に完敗だ。あの日、泣いて悲しむ隙もなく怒りへと姿を変えた感情を、今芽生えたかのようにやり直させてくれてありがとうございましたって気持ちでいっぱいだ。


周防さん、理想ほど売れたわけではなかったかもしれないよ、でもジレンマはspeena史上、間違いなく一番売れた歌だ。speenaを知らない人にまで届いたのは、あなたが時間とお金と労力という情熱と並々ならぬ愛情でもって届けようとしてくれたからだ、avexなスタッフと共に。あなたがいなかったら、今の私はないのです。感謝しかありません。ありがとうございました。




うん、君が幸せなら、それでいいよ。何よりです。




” 閉じた日記 こじあけて 

  続きを書きたがってる たった一人で

  許さないわ 侵した罰 受けるといいわ ”



私なら、いくところまでいったのよ、あなたというものの奥の奥まで、裸の私で。でもどこまでいってもあなたは変わらなかった、自分だけを愛すその姿は母乳を求める幼子のようだ、あなたにとって女とは結局母であり、この私にすら無償の愛を求めるその傲慢さ、罪に値する。私に侵食しておいて、私とはを微塵もわかろうとしないその様、穴が開いてりゃ誰でもいいということそして、そんなあなたに用ならない。二人は終わった、私の中でたった今。それに気づかず、いつまでも続いていると思ってる自惚れたバカなあなたでもそのうちわかるだろう、電話をかけてもメールをしても家に行っても、もうそこに私がいないことを、あなたを捨てたということを。




sixteen / speena

おや?ここでsixteen。ということは、この前にシェラっち(shela)に書いたはずだよね、提供曲 ”feel” 。記憶!時系列!しっかり!!shela のプロデューサーでもあった周防さんに、曲を提供してみないかと素敵なお誘いを受けて作ったfeel、speenaでセルフカバーしてみたらおもろいんじゃないかという流れ。歌詞はどちらもショーコ。プロデューサーからは「英語混ぜて」、私からは「このメロディには英詩の方が乗りやすいと思う」と、英英うっさいんじゃこらー!なったかどうかは置いといて、見事に英詩混じりな歌詞に。どちらも前どころか上向きな、胸筋効いてる素敵歌詞。昔より今のほうが好き、なんか。でもsixteenの方がすぴっぽいね。当たり前か。どちらの曲にも、私の仮歌詞 ” そばに置いた16の甘い心〜” っていうのがdメロで使われてる。ウォーリーをさがせ!ちがうか。

レコーディング、おもろいほどに記憶ないのはなぜ。なーぜでっしょーう〜(なんで?って時、母がよく使う眠れる森のワンフレーズ)。曲聴いてみよ。出てきた出てきた、記憶。Melodie Sextonさんのコーラスじゃん!最高クールな。勉強のためにメロディの歌うブースに入らせていただいたな。ここ、でかい声で歌ってるよね?ってとこでヘッドフォン外すと、芯のある力強い歌声なんだけどがなっては決してない、ボリュームとしては普段話す時のそれっていうのにびっくりした。途中で南天のど飴舐めてて、じゃあ録るよって時に出すのかなって思ったらそのまま舐めながら歌うのに更にびっくりした。しかも完璧に歌うの。なんなのずるい。飴と歯が当たってカチッともしないし、唾液過多にもなってなさげだし、なに、ハムスターみたいに頬袋でも持ってるの?私もほしい。



” 膨大に出会いあるけど ほっといてくれなくて どうもありがと

  大地を包んで青い空 相棒の愛が この胸に ”



家から一歩出れば、誰かと仕事をすれば、電車で隣になっておもろいことでもあれば、デートに誘ったり誘われたりすれば、友達の友達と友達になれたりすれば、ガラス越しに愛を飛ばしあえば、ソーシャルなネットのサービスな世界で笑い合えれば、そこから始まる。あぁ、出会いだらけだ人生は。9年沈黙してても Hi! って言えば Hello! って返してくれるラブだらけだマイライフほんと、生きててよかった、どうもありがと。

ラブ家族とラブ子供(エメ)、ラブ友達にラブ仲間。これだけでも幸せなのに私の人生には更に、ラブベイビーちゃん達というものがあってくれる。普通の人、あんまりこれ持ってない。えへへ、うれしい。いいだろう。あげないよ。あとはそろそろ、ラブ恋人がほしい。できたら完璧じゃない?そのためにはものっすごい好きになれる人を見つけなくちゃ。きっとその時は流れるように進んでいって、くっついちゃうはず。私の恋ってきっとそういうもの。だってそろそろキスとかしたいの、ここへ来てやっと死にかけから生き生きと生きる人間は、性別を持ち始めたのだから。どうやら女みたいよ、男な部分も多大にあれど。抱きしめあって愛のこうかんこしたい。愛でられたいわ、ただの加奈子で。

sixteen、わけあって、ライブでやったことないのね。だからやりたいのね。20年越しの願いが叶うのはきっと、もうすぐ。




エメ、おはよ。もういい?それもらっても。つか、返して。つけるから。




ジレンマは歌番組、なかったような。そのかわり、ドラマ ” ビューティー7” の主題歌だったね、かおり桃井。あれでspeenaを知ってくれた人、きっとたくさんいたはず。おかげでその後始めるライブでやらない時がなくて、一時期うんざりもさせられたよ、ジレンマよ。でも愛してんだ、ふふ。あなたのジレンマを、どうぞいつまでも可愛がってね。あげるよ。あたしにはあたしのジレンマがあるから。音楽とは人生のサウンドトラック、あなたのラブライフがより一層煌くためのもの。たくさんのその煌きの中にspeenaの曲が入っていたなら、最高に幸せなこと。




読んでくれてありがとう。好き好きちゅー♡



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