キルトに綴る食欲
ランチが落ち着いた頃、オーナーに「サラリーマン辞めて収入が不安定になって何が一番変わった？」と聞かれて、真っ先に「日曜雑貨のレベルが下がった」と答えた。他愛のない雑談である。
サラリーマンだったからといって別に高収入だったわけでもないんだけど、前は柔軟剤選ぶのにも好きな香りにこだわってたり、ちょっと贅沢して良い香水を買ったりしていた。でももうそんな物欲も消え失せてしまった。柔軟剤なんて使わなくなったし、何かにつけてトップバリュー製品ばかり購入している。
服だって昔から雑巾みたいなボロばかりだったのでまあ別に変わらないって感じだし、これといってお金を使う趣味はなかったんだけど、旅行に行きたいという気持ちも無くなってしまった。でもまた沖縄とかグアムとか行きたいな。
あとランチの贅沢をやめたんだけど、それだけが未練が残ってしまう。普段は安いご飯ばかり食べていたんだけど、たまに贅沢をしていた。例えばトラフグ亭のランチ限定の1500円定食。あればフグの唐揚げがついてお得だった。あと好きだったのは神田の飛梅という牡蠣屋のランチ。牡蠣御膳に生牡蠣を追加しても1300円とかだった。
元々食の趣味が変わってる自覚がある。ラザニアとゼッポレが好きだし、ラビオリもキッシュもスパニッシュオムレツもバインセオも好き。タイ料理ならシナモン鍋。メキシコ料理もブラジル料理も好きだし、トルコ料理もネパール料理も好き。だけどそういうのもみんな1000円を超えてしまうので最近は諦めている。
そういえば自炊していた頃も牡蠣はいつもバジル風味のムニエルにしてたし、鳥手羽をヨーグルトとクミンで煮たことがあった。ハッカクの効いたカレーも作った。食への探究心が強いのかもしれない。
あと、前の会社は忘年会とか歓迎会とかとかあってその度に良いご飯が食べれたんだけど、今となっては遠い日の花火だなと。中でも神田いせ源のあんこう鍋が本当においしかった。グランドハイアットとかヒルトンの宴会場のご飯もおいしかった。
私はばかみたいにグーグルの口コミをしているんだけど、前の前の会社の忘年会で浅草の今半に行った時のことを思い出しながら投稿したこともあって、いつ見返しても笑ってしまう。
南千住の尾花のうなぎもまた食べたいな。1時間並んで食べたうな重はふわっふわで美味しかった。寿司は足立市場周りで安く食べられるけど、焼肉、すき焼き、ステーキ。食べたいものをあげたらキリがない。でももういいや。食べたら食べただけ太るお年頃だし。こんな年齢だし、親も年だし、あなたすらいないし。
昨日は差し入れで頂いたカップ麺に、差し入れで頂いたキムチを入れて食べてみたらとっても美味しかった。本日の差し入れ定食。優しさの味がする。スムージーの余りで野菜も補ってる。
じゃあ何が一番食べたいかって言ったらそういうものだという気もする。実家の母が作った切昆布の煮付けとか。優しい食べ物。アメリカで働いていてビザの問題で帰国せざるを得なくなった時に、父親から日本に帰ってきたら何が食べたいかとメールで聞かれたことがあったけど、「がんもどきと、ほうれん草の白和え」と答えた。アメリカの食べ物はどれも豪快で美味しかったけど、がんもどきのようなしおらしさとか健気さは感じられない。でも牡蠣は食べたいな。やっぱり。牡蠣もふぐもかつおも。しおらしい。
昨日は大雨で久しぶりのボウズだったのでサルサソースを仕込んでいた。野菜を切ってトマトと和えて味を整えて。
手際もわるくて料理の適性が決してあるわけではないけど、まあ楽しく作ってる。主にタコライスに使ってるのでぜひお試しください。夜の部でも出してます。ゲイの気まぐれタコライス〜申し訳程度のしおらしさを添えて〜。
今日は松田琉冬がランチ担当なので私は夜だけですが、ちょっと午後からおびやかし、じゃなくて冷やかしに行ってきます。そのまま夜の部にIN。飲みにおいで。
JUICE BAR ROCKET
東京都足立区千住1-1-10
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