「いいこ」の呪い
最近友人と話していて、考えたことがあるので書いてみようと思う
それは「いいこってどんな子?」ということ
よく聞く「いいこ」というワード
一見ポジティブな言葉のようにも思えるけど、人が「いいこ」というワードを使うときって一体どんな子に対して使うのだろうか、、、?
私は産婦人科で働いているから、まずは産婦人科で聞く「いいこ」について考えてみようと思う
「よく寝て いいこ」
「泣かなくて いいこ」
「上手に(おっぱいとかミルクとか)飲んで いいこ」
「上手にうまれてきて いいこ」 こんな感じかな
小さな子供に対しては、
「みんなと仲良くできて いいこ」
「お昼寝ちゃんとできて いいこ」
「ちゃんと残さず食べて いいこ」 などなど
果たして、これっていいこなのだろうか?
親や大人を困らせることが少なかったり、ないということ イコール いいこ なのだろうか?
そう言われて育った子どもは、いったいどんな風に成長していくのだろうか?
幼少期からこのようなことを記憶に刷り込まれると、知らず知らずのうちに
「私って、こんな人間なんだ」「僕は小さいころから、こうなんだ」と
それが自分のアイデンティティとなることも少なくない
アイデンティティは、ある時は自分を勇気づけてくれたり、自分の原動力になったりすることもあると思う
しかし、その反面、自分で作り上げてきた(思い込んできた)自分を守るために、新しい選択肢や今までとは異なる行動を起こす足かせになってしまうことがある
また、アイデンティティが崩れてしまったとき(思い込みの自分の姿や行動から外れてしまったとき)、それが大きな大きな傷となってしまうこともある
自分が誰かを教育する状況や、指導する立場にあるとき、
相手が子どもであっても、大人であっても、
その人に向けて使うことば選びって、思っている以上に大切だと思う
普段から使うことばや、そのことばを受け取ったときの感情には敏感になりたいなーと改めて考えるきっかけになった
特に口から発することばって、目に見えるカタチとしては残らないけど、
ずっとずっとこころや頭の片隅に残ったりするもんね
私のこころや脳裏にも残ってる会話とかことばってあるなぁ(いいものも悪いものも)
そして、そのときの自分の感情とか、その時の状況とか景色って、意外とクリアに思い出せたりするんだよなーーーーーーー