助産師noteのひとりごと
今のご時世、立ち会い出産を希望していても、できない施設が増えている
立ち会いどころか、面会もできない施設も多々
今日は、立ち会い出産について、色々思うところがある私のひとりごと
むかし、まだ今の施設で働く前の話。
まだ、コロナの「コ」の字も飛び交っていない頃の話。
ふと、立ち会い出産ってなんなんだろうと思う出来事があった
基本的に産院には、新生児や妊婦さんがたくさんいるから、産科的な問題がない発熱している方に関しては、先に他の科の受診を勧めることが多い。
そして、面会や立ち会いに関しても、風邪を引いていたり何か症状がある場合は、赤ちゃんや妊婦さんにうつしてしまうリスクを考えて、控えてもらうところが多いんじゃないかと思う。
私が以前働いていた施設も、そんな施設のひとつだった。
立ち会い出産をしたくて、陣痛の始まりとともに家族でやってきた産婦さん
ふと旦那さんの顔をみると真っ赤で、熱を測ってもらうと38度を越えていた
事情を説明し、お引き取りをお願いしたのだが、なかなか帰ろうとしない
スタッフが代わる代わる説明したのだが、帰宅するふりをして、スタッフの目を盗んでこっそり戻っている
旦那さんのお母さんまで「今日外が暑かったからだと思います。立ち会いさせたいので。帰らせるのはかわいそう」と。
最後の最後は、どうにかこうにかお願いして、病院の外に出てもらった
お産の立ち会いは、当初計画していなかった、旦那さんのお母さんが立ち会っていて、テレビ電話を繋げた状態でのお産になった
出産を終えた頃には、旦那さんは電話の向こうで涙を流している様子だった
いちスタッフとしては、すごく困ったご家族でもあったのだが、
同時にとても胸が打たれたお産だった
それを証拠に、何年も経った今もその時の状況をクリアに思い出すことができる
立ち会い出産って、何のためにするんだろう
立ち会い出産って何なんだろう
そんなことを考えるきっかけをくれたのが、この家族の出産だ
そして、これって、立ち会い出産じゃん!と思った
この家族にとっては、これが立ち会い出産だし、これがベストなカタチだったのではないかと思う
もっと言えば、こうじゃないと気付くことのできないことがあったのではないかと思う
立ち会い出産って、「立ち会い」という言葉があるけれど、ただ居るのが立ち会い出産ではないと、私は思っている
その夫婦や、その家族が思う「立ち会い出産」がどんなものなのか
なぜ「立ち会い出産」をしたいと思うのか というところまで話し合って欲しいな
そんな深いところまでしっかり話すことができると、
案外こんな時期でも、立ち会いに求めている「居る」という物質的な問題以外はクリアできるかもしれない
私自身、助産師になりたての頃は、お産に直接関わりたくて関わりたくてしょうがなかった
けど、今はお産に直接関わることよりも、妊娠中に妊婦さんの支えや励みになることができるといいなーと思っている
振り返ったときに、あの助産師のあの言葉でモチベーションが上がった とか
マタニティーライフをもっと楽しもうと思うようになった とか
そんな存在になれればなーって
あなたの思う「立ち会い出産」って、どんなお産ですか?
あなたが考える「立ち会い出産」で一番大切な事って、なんですか?