助産師note 13
-お産のひみつ②-
今日は、陣痛が始まって赤ちゃんがうまれてくるまでのドラマチックなお話の第二話です。
「お産のひみつ①」の記事もありますので、是非読んでみて下さい。
お産のひみつ①では、お産の準備には3つの準備があるというお話をしました。
そして、「赤ちゃんの準備」について書きました。
今日はお母さん側の準備である「産道(赤ちゃんや胎盤が通る道)」のお話をしたいと思います。
赤ちゃんの通り道である「産道」ですが、実は2つ存在します。
赤ちゃんの通り道はひとつですが、お母さんは赤ちゃんがうまれてくるために、2つの準備が必要です。
ひとつ目は、よく耳にすると思いますが「子宮口」や膣や会陰などの軟らかい通り道です。
子宮口は赤ちゃんがいる子宮の出口にあたる部分です。
子宮口は普段3㎝くらいの厚みがあり閉じていて、まだ熟れていないあおい果物のように固い状態をしています。
それが、赤ちゃんが通るときには、完熟の果物のようにやわらかーーーくなって、赤ちゃんの頭が通るくらいの大きさ(約10㎝)に開きます。
「ん!」とかたく閉じた口が徐々に開いて「あーーーーー!」の口になっていく感じです。しかも直径約10㎝に!
膣や会陰も赤ちゃんが通るために少しずつ軟らかくなり、形を変えることができます。
もう一つの産道は、骨盤です。
骨盤は数個の骨で構成されていますが、お産が近づくとホルモンの影響でそれぞれのつなぎ目が緩みます。
そして、赤ちゃんの頭蓋骨とは反対に、赤ちゃんが通れるように広がろうとします。
人生で骨を動かすという経験はないと思います。
骨が動くという未知の体験ですから、未知の痛みが伴います。
女性の身体は、妊娠してから出産までに普段は握り拳より小さな子宮が10倍以上大きくなり、
子宮の中では、地球上に生命が発生してから人類が出現するまでの35億年という歴史を約40週の期間で再現します。
そして、赤ちゃんをこの世に産み出すために、また身体の形を変えるのです。
女性の身体にもグッドデザイン賞を贈りたいですね!!!