トイレに閉じ込められた話
昨夜、トイレに閉じ込められた。
もともと建て付けの悪い扉で、閉める度にガタガタ歪な音をたてていた1階のトイレの扉が、閉めた状態で動かなくなってしまった。
トイレの外廊下では、慌てる私の声を聞いて子供たちがキャッキャキャッキャ笑っている。母のパニックが面白くて仕方ないらしい。
最初こそ、なにこれ?コントみたい!と私も笑がこみ上げてきたが、次第に背中の下の方から何やらゾワゾワ悪寒がしてきた。
狭い!出られない・・・?出られない!!!!!
あわわわわわわわわファdfさえrじゃ;lwじゃgふぁぽじゃヶt;青江和kジェマtジェ!!!!!
閉所恐怖症ってわけではないんだけどとても怖かった。
ゾワゾワが止まらない。でも、そのゾワゾワを意識してはいけない気がして一生懸命ゾワゾワを振り払った。
運よく、トイレでくつろごうかと思ってスマホを持ち込んでいたので、(子供たちがうるさくトイレでしかくつろげない)
夫をLINEで召喚してこじ開けてもらった。
なんて間抜けな話であろうか。トイレに閉じ込められるなんて。
なんだかとっても疲れてしまった。
思い返せば、私の人生って間抜けなことばかり。
散歩中に食べたかった揚げまんじゅうを口に入れる直前に川に落としてしまい、どんぶらこっこと流れて行った様子を思い出した。
初恋の男の前でプッてオナラしちゃったことを思い出した。
海外旅行で乗った飛行機内でクレジットカード落としたこと思い出した。
自転車で走ってる時になんとなく前輪に足を入れてみたくなって、実際入れて前のめりに飛んだことを思い出した。
鳩にパンあげてて制服にウンチされたこと思い出した。
沖縄の海に見惚れて、乗ろうと思ってた一日一本の離島行き船に乗り遅れたことを思い出した。
たくさんたくさん間抜けな思い出が走馬灯のように思い出されてきた。
そういう間抜けな星の元に生まれてきたのかもしれない。
トイレに閉じ込められて、まさか人生を見直すことになろうとは・・・。
トイレに閉じ込められると地味に凹む。