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ピアニストの演奏にミスタッチが少ない理由

今回は私が愛読している古屋晋一さん著の「ピアニストの脳を科学する」という本から学んだことをもとにシェアいたします。


ピアニストは何故長い曲でもほとんどミスタッチなく弾けるんだろうと不思議に思ったことはありませんか?


たくさん練習しているから・・才能があるから・・


それももちろんあると思いますが、実は他にも理由があるようです。


その理由はズバリ、「必要のない筋肉は使わずに弾いているから」です。


ピアノ奏法で良く言われる「脱力して弾く」というのがそれなんです。


「脱力」といっても、字だけ見るとイメージとしては「フニャっと力を抜いて弾くこと」というように捉えられてしまいそうですが、実際はそうではなく、必要のない力みを入れずに打鍵することを脱力した奏法だと私は解釈・指導しています。


ではその脱力した奏法が何故ミスタッチを減らすことになるのか、

筋肉を動かす際に、脳からの指令とともにノイズが混じるようなのです。
このノイズが含まれることで動きに不正確さが出ます。

実際どのようなことかというと、直径1センチほどの円の中を10センチほど離したところから人差し指で連打してみると良くわかります。

連打の度に少し指のズレがありませんか?
速さをアップすると余計に円から指がズレやすくなる。


連打する時の手の筋肉には脳からの指令と共にノイズが何%か含まれているため毎回正確な位置を打つのは難しくなります。


またそれは筋肉が大きな力を発揮するときほどノイズが増えるそうなので、力めば力むほど、不正確な打鍵になるということです。


例えば、家では良く弾けるのにレッスンで先生の前だとミスが多いのも、緊張することで無意識に身体に力が入っていたり、手にもいつも以上に力みがあるということが原因の場合がよくあります。


発表会などのシーンで緊張している場合でも同じような身体の状態であることが多いです。


ピアニストたちのミスタッチの少ない演奏は、不要な筋肉の活動がないため脳からのノイズがあまり生まれない状態が正確な打鍵に繋がっています。



奏法で脱力ももちろん大切ですが、レッスン前や発表会の出番前には、一度肩をギュッと上に上げて、ストンと降ろして身体の力みを抜いてから演奏しましょう!








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