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暗闇の中で見る、不幸な夢の話
2~3年くらい前に書いた夢小説をサルベージしようと試みていた。
数本しか書いた記憶がないのだが、実際はすんごい量だったので、まとまった時間と健康がある時にしよう……。
そういえば毎日書いて週1くらいで公開していたこともあったような……。
幸せな話も書いたけれど、とんでもなく真っ暗な話も書いていた。
それを友人に指摘されて(推しを不幸にするのはかわいそうだって)、しばらくショックで動けないくらい苦しんだのもいい思い出である。
私だって推しと幸せになれるものならなりたかったさ……。
初期の作品で「ちょっとこれは……」と思ったのは、推しが帰宅したら内縁の嫁(私)が自殺を図って死にかけてる話と、愛する推しにさよならを言う話(これも推しが未練に苦しむ)、私には推しが見えなくなり、推しには私が見えていて話すことも触れることもできないと苦しむ話。
本当に、かわいそう。不幸にし過ぎだろ……。
他にもいろいろ不幸な話があったけど、なんで私は推しと幸せになる話が書けなかったんだろう。
夢女子なのに。夢小説なのに。
せめて夢の中だけでも推しとラブラブして幸せな話を書いたらいいじゃん?
でも、書けなかったんだよね。どうしても。
自分を癒やすために書いていたところもあって、だから推しが私を支えてくれるような話も多かった。
私が死んだら推しに悲しんで欲しいので、作中で死んだこともある。
不幸な夢しか見れないって、何なのだろうね。
不幸にするのがかわいそうって言われてとても傷ついた結果、幸せな話を書こうと試みた。
雨の日にふたりでお茶を飲むだけの話とか……。
新婚旅行で小樽運河を散歩してみたり。
それはそれでふんわり幸せだし、悪くなかった。
でも、あまり意味がないと感じていた。
私が求めているのは、それではないのだろう。
生きることに前向きになったら、最推しの夢小説を書けなくなった。
ずっと書けなかった。あれからずっと、今でも書けない。
正確には、書けるけど納得のいくものにならない。
ありきたりの展開、つまらない物語。
書いていても楽しくない。
最近は別の推しができたから、そっちばかり書いている。
書きやすい子だし、最初から慕ってくれてるので、夢を見やすい。
私の夫であるところの推しはちょっと癖の強い性格なので……妄想するのが難しいのだよ。
ただ、今の推しのことも不幸にしがちである。
恋が成就した日に、恋人(私)が記憶喪失になってものすごく苦しむ話とか、自分のせいで人が目の前で殺されて(子供の頃からのライバルとその関係者)おかしくなっちゃう話とか……。
軽いものでも、過労で瀕死になってる。
もう、本当に酷い。
私、ちっとも懲りてないな……。
たぶん、もともとかわいそうな推しが好きなんだと思う。
病んでいたり、重い過去や闇を抱えていたり。
フラッシュバックで混乱の極みになっちゃったり、悲しみに大声で泣き叫んだり、トラウマに苦しんで吐いたり、過呼吸で転げ回るような話が好きなんだ、きっと。
振り返ると、そんな感じがする。
『紅茶の時間』もそうだけど、メンタルぶっこわれを書くのが好きで、ついつい登場人物を絶望の淵に追いやってしまう。
経験のある人の書く闇は、なんとなくリアリティが伝わってくるものだけれど……。私はどうなのだろう。ちゃんと書けているのかな。