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久保田様

お酒なら何でもウェルカムっていう節操なき頼もしさと相手の好みに合わせてくれる優しさを兼ね備えていた、恐らく真の酒豪だったに違いない我が父親。そんな彼が一番好きだったお酒は久保田っていう日本酒で、小学校の頃から亡くなるまでお約束のごとく父の日もお誕生日も久保田の小瓶をプレゼント+αで贈ってた。
そして今、遅ればせながら気になって調べてみたら久保田は父親の故郷、新潟のお酒でした。なるほどって思った、、もっと早く気づくべきだったよね。我ながらポンコツ娘で申し訳ない限り。

進呈されると満面の笑みでお礼を言って即刻開封!嬉しそうに飲み切ってた姿が印象的すぎて、低学年のころ俳句にして学校に提出し母親に怒られたこともありました。

父の日の お酒もすぐに 飲み干すよ

たしか、こんな内容だったはず。
1㍉のひねりもなければ当然ネタにもならぬ極めて他愛ない一句。それでも改めて考えるまでもなく別に怒られるほどのものではないと思うけど。

日曜日も自宅にいる時は久保田を飲みつつ、趣味の将棋番組を見るか書道か読書か何かしらしていた姿が今でも鮮やかに記憶に蘇る。そんな様子を見慣れすぎてて何とも思わなかったけど、水みたいに日本酒を飲みながら平然と色々なことしていたのすごい。私だったら絶対に途中で寝ちゃう自信しかない。

さて、父親が亡くなった時。
急きょ田舎の新潟から親戚一同駆けつけてくださったんだけど。10人兄弟の大家族の末っ子だった父親のご兄弟みなさん割とご高齢だったにもかかわらず容赦なくガンガン日本酒を飲みまくってたからびっくり。そして翌朝も普通に早起きしてきたから驚異的。
翌年、新潟に旅行した際も大量の日本酒ふるまわれ頑張ってお付き合いしたの良き思い出。

父親の話とは関係ないけど現在、私が副業で働いてる雀荘でもお酒を提供しておりまして。国士無双って日本酒片手に麻雀を楽しんでる方々を見ると、私も今から頑張って麻雀マスターして人生の晩年はあんな風に過ごしたい!って、ひそかに羨望と憧れの眼差し向けてます。

さしあたり父親を偲んで日本酒を呑んだりしようと思う2024年夏。

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