腎細胞癌6︰CT結果の説明とがん患者の家族

造影剤CTから一週間後。
今度は検査結果を聞くために通院です。

さて行こうかと思ったら、夫も同席したいと言い出しました。

「今日は、手術もしないし、確定診断は術後の病理検査後だよ?」
「でも、今日でほぼ癌かどうかがわかるんでしょう?」

腎細胞癌ですが、各種画像診断でほぼ確定となったら、手術して摘出したあと病理検査にまわし、その結果で初めて確定診断となるそうなのです。

腎細胞癌は腫瘍マーカーもないし、針での生検もあまりやらないとのこと。
だってどうせ取るんだから、ということなんでしょう。

前回の造影剤CTでほとんどはあたりがつくそうなので、いわるゆ「ほぼ、癌ですね」というお話は今回あるわけです。

なるほど。
テレビとかであるがん告知ってやつなのか、今回のが。

そういえば、ああいうドラマなんかで「本人には伝えないで…」って勝手に家族が決めちゃうやつ。

私に関しては、あれは絶対にやだなと思っていましたが、最近の病院では診察券つくるタイミングでもう確認されちゃうんですね。
私が通っているところでは、診察券を作るときに
・病状説明を自分で必ず聞きたいか
・誰に伝えてよいか
のアンケートを取られました。

さて話は戻ってがん告知のこと。
夫も聞きたいというなら止める権利はありません。
むしろ、気が付かなくてゴメンナサイ、と思います。

自分の状態からほぼほぼ根治と判断して軽く考えていましたが、その家族は、家族からだからこそ、いろいろ考えちゃうんだろうな。
ちょっと配慮が足りなかったようです。

手術が終わったら家族の好きなものをたくさん作って、のんびりさせてあげよう、と心を入れ替えたのでした。

  *

さてCT結果は、
「腎細胞癌疑い、明らかな転移を認めず」
とのことでバンザーイ! 個人的に1つ目の山を越えました。
転移の有無は、やっぱり大きい!
ただやはり、画像を見るに、経験上まあほぼ癌ですね、とのこと。
はい。そこはもう限りなくクロだと思っておりましたので、今更なんともないです。

それで先生、手術なんですね?
取っ払っちゃうんですね?

ところがすぐには、では手術日程を、とはなりませんでした。
可能な治療方法……手術(腎臓摘出・部分切除)、凍結療法、重粒子線……をざっくり説明してくださったあと、
「まだ小さいので、このまま経過観察をする方もおられます」
とおっしゃる先生。
伝えるべきことはすべて伝える、というスタンスなのでしょう。

「どうされますか?」
決めるのは患者、ということですかね?
治療に後ろ向きとか、そういうことではないと思いたい。

先生、癌が縮むことはほぼないし、経過観察した場合の長期データはないとおっしゃいましたよね。
「手術したいです。できるだけ速やかに」
「そうですね。でも手術可能な枠が2ヶ月後まで埋まってて……あとコロナの影響でドタキャンもありえます。ご了承くださいね」

先生、人気者かよ……!
ていうか、コロナか。ここにきてまたもやコロナか。
そういうことか。
(この時はコロナによる緊急事態宣言が出されたばかりでした)
「一応、今の段階ではコロナが出ても悪性腫瘍の手術は、やる予定です。でも今は、なにがどうなるかまったくわかりませんからね」
「……はいぃ」

よくなる見込みのないものなんか、さっさと取っ払っちゃいたいんだけどなあ。
のちに聞いた話ですが、腎細胞癌は進行が遅く、数ヶ月手術をのばしても、どうこうなることはほとんどないのだそう。
そして、それより緊急性の高い手術がたくさんあるってことですよね。
致し方ない。

結局、ちゃんと腎の部分摘出手術の説明書をいただき、術日を予約して帰宅したのでした。

つぎは転移検査のMRIと、術前検査だ!

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