腎細胞癌2:情報収集と家族への報告
人間ドックの帰り道、ランチを食べながら、とりあえずネットで腎臓の腫瘍についてあれこれ予習。
検診後の問診時もそうだったけれど、特に恐怖や焦りの気持ちはありません。
これまで自分が知らなかった知識を得られるのが純粋に楽しい。
まだ実感がわかないせいなんでしょう。
そこでわかったのは、以下のようなこと。
・腎臓の腫瘍は泌尿器科の担当
・腫瘍はがん以外だと、腎嚢胞やいくつかの良性腫瘍がある
・腎臓の腫瘍で一番多いのは悪性腫瘍、つまりがん
・腎臓のがんはおおきく腎細胞癌と腎盂癌にわけられる
実際には、この時点ではまだ腎がんについてそこまでしっかり掘り下げていませんでしたが、せっかくなのでここで、腎臓のがん、その中でも腎細胞癌についてざっくりまとめておきます。
(腎細胞癌と腎盂癌では、特徴も治療方法もだいぶ異なるのです)
・女性より男性に多い
・自覚症状は血尿や脇腹の痛み、脇腹を触ったときの違和感など
・かなり悪くなるまで自覚症状は出ない
罹患率は高くないが、年々増えているのだそう。
それは、生活習慣が変わったことや、人間ドックや他の臓器の検査で自覚症状がない初期段階の癌が見つかりやすくなったためらしい。
(まさに私もそうやって見つかったしね!)
腎細胞癌の場合、基本的な治療は手術です。
腎臓摘出、腫瘍のサイズが小さければ部分切除も可能。
腎がんだけであれば、術後に抗がん剤治療をすることはありません。
5年生存率も90%を超えていて、根治も目指せます。
「腎細胞癌は手術で取っちゃえばだいたい勝ちだから」とは、のちの私が主治医にかけていただいたはげましの言葉。
早めに見つかったのであれば、軽くみてはいけないけれど、悲観する必要もないという印象です。
ただし、
・腎臓はリンパ節や大きな血管につながっているため、まあまあ転移がある
・転移先は副腎、肺、肝臓やリンパ節、骨などなど
・転移再発のチェックのため、術後も10年は定期観察が必要
多くのがんは経過観察期間が5年だといいますから、腎細胞癌の10年は長いですね。
十年以上経ってから再発したした例もあるそうなので、なかなか長期間心を囚われそうです。
それでも、私が子どもの頃は、がんといったら不治の病。
がん宣告=余命何年という感じでしたから、根治が目指せるだけでもスバラシイ!
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こんな感じで、ある程度情報を整理したところで、夫と実母にLINEで連絡しました。
私が検査や手術をすることになったら、いろいろと迷惑をかけるであろう二人に。
「人間ドック終わった。腎臓に腫瘍が見つかって、要精密検査だってー」
「わかった。悪性じゃなければいいけど」
と冷静な(ように見える)夫。
対して実母からは「なにそれどういうこと」というメッセージの直後に電話がかかってきました。
数年前に夫(つまり私の父)を肺がんで亡くしているので、やはり腫瘍と聞くと、それを思い出すのでしょう。
そこで、高確率でがんらしいが、根治を目指せる大丈夫そうな感じ、であることを伝えました。
安心してね、と。
すると、それを聞いた途端、
「なーんだ、じゃあ大丈夫ね!」
と電話を終了。
いや……たしかに安心してほしかったが、各種検査と手術はあるよ……?
不安に蓋をしていてその反応なのか、心から楽観視しているのか。
がんという病気はフラットに伝えるのが難しいかも、と感じました。