9月11日 日記
今朝前髪のクセが気に入らなくて、一度しまったアイロンをまた温め直した。いつもならそこまで気にしないけれど、今日は名古屋まで1人でお出かけ。少しでも自信が持てるように納得した前髪で家を出たかった。が、叶わずバタバタと出発。こういう時、夫と子の直毛ヘアが心底羨ましいと思う。
いつもなら近鉄で名古屋まで向かうところだが、今回は夫が買ったJR快速みえの回数券が往復分余っていたので、はじめてJRでゆっくりと名古屋まで揺られる。
昨夜も変わらず夜泣きで起こされたので眠くなるかな、と思っていたけれど、読書に集中したり、景色を眺めていたら1時間40分はすぐに過ぎていった。
伊勢から名古屋市内のチケットだったので、JRで行ける範囲を最初の目的地として、乗り換えて金山に辿り着いた。前々から気になっていたTOUTEN BOOKSTORE という本屋さんへ。外観からはあまり想像できない、古民家をリノベーションした店内。居心地が良い。
選書された本たちをぐるりと見て回り、最近手に取ってしまいがちな植本一子の本を見つけ、レジまで持っていく。ドリンクメニューもあり、買った本をゆっくり読めるスペースもあったので、せっかくならとアイスコーヒーを頼む。こんな気ままにコーヒーを飲みながら本を読むのはいつぶりだろうか。
夫が子をみとくから出かけておいでと言ってくれ、ひとりで出かけるのはいつぶりだろうかと思い返したら、なんと夫と付き合う前の2022年の1月ぶりだった。2年と8ヶ月。そんな長い間私は県外にひとりで出かけていなかったのか。
ひとりで国内でも海外でも、どこへでも出かけるような人間だったのに、これは依存とでもいうのだろうか。
依存というより、ひとりで過ごすより2人で過ごしたいと思わせてくれた夫がいたから、とでもしておこう。
でも今、子が産まれ、ひとりで気ままに過ごしてみたい気持ちが強くなった。そして今回の名古屋ひとりお出かけ。
本屋でゆっくり過ごす時間は心地良かった。ただ没頭するだけだから。けれど、ご飯屋さんとなると話が違った。人と話しながらだとお酒も進むし、料理も分け合える。念願のお店でいざひとりでカウンターに座りお酒と料理を楽しもう、と意気込んだけれど、すぐお腹いっぱいに。
20代の頃は1人でも飲み歩けたのに、やはりこれは年齢のせいなのか。お昼も夕方もすぐお腹いっぱいになり、お酒もそれぞれのお店で2杯ずつに終わった。
もっと料理とお酒を楽しみたかった。
不甲斐ない。
目的地としていた2軒の本屋さんと、昼と夕方の酒場を後にしたら、まだ時間に余裕はあるのに帰りたくなった。目的もなく街をふらふらと歩くのが好きだったのに、ひとりでそれをするのは苦手になったようだ。
20代の頃、長距離の電車は片手にビールで乗車していたのに、お腹いっぱいであまり飲む気になれず。念の為の水とコーヒーを買った。
そしてこの日記はコーヒー片手に車中で書いた。帰ってから何かつまみたくなるだろうな、と思いながら。