曾祖母から受け継いだもの。
先日、函館方面に住んでいる親戚が札幌に訪れるということで、数年ぶりに会う機会があったのですが、そこで思いもよらない頂き物を手にすることに。
「かなちゃんが、こういうの好きって聞いてね。」
そう言って差し出されたのは、『反物』 でした。
反物(たんもの)は、着物に仕立てる前の生地のこと。
なかなか出会う機会がないので、初めて見る反物に私は興味津々。
手触りがすべすべで、なめらか。まだハサミを入れられていないまっさらな生地は、綺麗に巻かれて箱に入れられていました。
話を聞いてみると、これは私の曾祖母の遺品らしく、裁縫が得意だった曾祖母の家にあった着物や反物がまだいくつも残っているとのこと。
私が日本文化が好きという話を聞いて、一つお土産に持ってきてくれたようでした。
「眠らせておくより、使ってあげた方がきっといいから。」
そう言って託された反物。
結局これは、私より裁縫が得意な母へと託されることとなり、着物になるのか、リメイクした何かになるのか、報告を楽しみに待つことになりました。
私は会った記憶がない曾祖母は明治生まれの人。よく自分で仕立てた着物を着ていたそうで、大変器用な人だったと聞いています。
もう一つ、いただいた曾祖母の作品。
丁寧に編み込まれた『鞠』。
こちらもなかなか触れる機会がないので、とても感慨深い気持ちになりました。
曾祖母は鞠の他に日本人形なども作っていたそうで、本当に器用な人だったのだと改めて感じます。
残念ながら、私は裁縫が大の苦手。
手先の器用さがひ孫の私まで受け継がれなかったことは大変残念ですが、祖母や母から聞く曾祖母の話はとても楽しく、興味深く、会って話してみたかったなという気持ちにもなりました。
(ちなみに裁縫の才は祖母と母にはしっかりと受け継がれており、小さい頃はよくワンピースなどを仕立ててもらった思い出が。)
「受け継ぐって、こういうことだよなぁ。」
資料館に行ったり、本を読んだり、歴史を学ぶことは本当に楽しくて大好きなのですが、こうやって生活に根付いた文化を、直接触れたり聞いたりすることも大変貴重で大切なことだと、この出来事を通して改めて感じさせられます。
「今度着物を見に遊びにおいで。」
そう声をかけてもらったので、まずは着付けを学ばねばと、また一つ目標ができた先週末の出来事。
では、今日はこの辺で。
最後までお読みいただきまして、誠にありがとうございます。