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あり&きりぎりす
こんにちは。
きっかけアクセサリー作家の音海奏乃です。
今日は金曜日。
とても久しぶりに、かなのわーずの記事を更新。
息抜きにでもお読みいただければ幸いです。
ずっと勘違いしていた、らしい
皆さんは、「アリとキリギリス」というお話をご存知ですか?
絵本か何かで見たことある、という方もいると思いますが、もとはイソップ物語だそうです。
お話をざっとまとめると、
ありは夏の間に働いて、食べ物がない冬にしっかりと備えていた
キリギリスは普段から遊びまわっていて、食べ物がない冬に備えていなかったため、命を落とす
といった感じ。
私が知っていたのは、ありが冬に死にそうなキリギリスを見て、家に入れてあげるバージョンでした。食事を少し分けてもらい、温かい室内で、キリギリスは自分の行いを反省する、といった流れ。
地方や、訳した人によって差があるのかもしれませんが、基本的には、ありが働き者、キリギリスは怠け者、として描かれています。
この物語を、ずっと、こう思っていました。
ありの堅実さを模範として描いていて、キリギリスはなっていはいけないものの見本。人を馬鹿にして、自分は遊びまわった挙句、人の世話になるなんて、最低だ。
死んでしまうバージョンだとしても、人のことを「そんなに働いていて何が楽しいのかい」といったように表現していたと思います。
だからずっと、キリギリスは悪、つまり、怠けて将来に備えないのは悪、と思っていたのです。
けれど、これが実は、勘違いだったのです。
物語と人生、比べてみたら
時がたち、今となってようやく、ありとキリギリスの勘違いに気が付きます。
それは、ありとキリギリスは、分けて考えるものではない、ということ。
ありはキリギリスで、キリギリスはあり。
この文章だけ見れば意味が分かりませんね。
……そう、これは心の中の問題。
私の心の中で、ずっと思ってきていました。
年金なども減らされる時代、ありのように、働けるうちに働いて、来る冬に備えなくては。
対照的に、せっかくこの地球に生まれたのだから、いろいろなものを見たい、体験したい、とも。
つまり、私の心には、ありの考えと、キリギリスの考えが共存していたのです。
ありは、一生懸命働いて、厳しい状況を乗り越えるために努力しています。それはとても素晴らしいことで、強い意志がなくては誘惑に負けそうになります。
キリギリスは、自分が楽しめることを、限りある人生(虫生?)で楽しもうとしています。それは、この世に生まれてきて、いろいろな体験をして、好奇心を、ひいては魂を成長させたいという根幹の願いに通ずるものがあります。
だから、どっちが善で、どっちが悪、という話ではないような気がしたのです。どちらも、自分がそう生きる、と決めて生きているのだから、それでいいのではないか、と。
もちろん、現代社会でそうしようといっても難しいでしょう。
だから、ありのようになれ、でも、キリギリスのように遊べ、でもなく、あり&キリギリスのいいとこどりをしていこう、と決めたのです。
バランスと、長所を生かして
ありには、目標があります。
厳しい冬を越すために、食料をたくさん確保する、という目標です。
そこに向かって、手順を考え、スケジュールを管理して、遂行していく。
それらの能力は紛れもなく、ありの長所であり、誇れる部分です。
キリギリスには、楽しみがあります。
仲間たちと集まること、演奏をして楽しむこと、演奏を聴いてもらうこと。
そのために、コミュニケーションをとり、技術を磨き、音楽を届ける。
これらの能力も、キリギリスの強みであり、誇れる部分です。
これは想像ですが、ありはキリギリスから音楽の話や演奏を聴くのが仕事中の癒しかもしれません。キリギリスも、ありのリクエストを聞いて、ありの集中力が上がる曲を作曲しているかもしれません。
もちろん、ありの数だけ、キリギリスの数だけ考えや思いはあるので、中には嫌な気持ちや不快な気分になることもあるでしょう。
でも、両者はお互いに、自分にはない能力を持っています。
私たちの心の中も、きっと同じ。
働いて、将来に備えたいという気持ちと、たくさんのことを経験したいという気持ち。
どちらかを我慢していれば、バランスが崩れて、生きる意味まで見失いかねません。だから、バランスが取れそうな部分を探して、自分の心の中で、協力していくのです。
矛盾しているように見えることでも、実はどこかで関わりがあるかもしれません。2つの並びの間には、/という分離の記号ではなく、&という組み合わせの記号があるかもしれませんね。
ありの心とキリギリスの心を、うまくバランスとりながら、自分らしく生きていくことができたら、理想的ですね。
それが、今回のあり&キリギリスのお話でした。
皆さんに、少しでも幸せなことがありますように。
きっかけアクセサリー作家
音海奏乃
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