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京都のモノづくり現場における、オンラインの恩恵と可能性

コロナ禍の自粛期間に、オンラインの可能性を実感した方は少なくないだろう。弊社COS KYOTOも日々の業務・打ち合わせ・交流・イベント…様々なことがオンラインに代わり、オンラインの恩恵と可能性を大いに感じている。

その中で今回は、COS KYOTOが事務局を務めるDESIGN WEEK KYOTO(DWK)のオンラインを通じたコミュニティ活動を紹介したい。

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DWKは、京都のモノづくり現場をオープンし国内外さまざまな人との交流を促進することで、京都が創造性あふれる街となることを目指し活動しているコミュニティだ。これまでスタートから5年「交流」に重きを置いて様々なイベントを開催してきたが、ウイルスの影響でそれらが突然開催できなくなってしまった。「交流は止めたくない!」という想いの中、出てきた手段はやはりオンラインでの交流。DWKでは2か月ほどの間に、オンライン座談会・オンライン対談・オンライン工房などを開催してきた。

■オンラインは主催側・参加側双方のハードルを下げる
コロナ禍の前にDWKが開催してきた交流イベントは、どこか会場を決めそこに参加者が集まり、同じ空間で時間をシェアするというもので、1か月ほど前には概要を決めて告知をするというのが基本だった。参加側も会場への行き帰りの移動時間も含めると、仕事や家庭との兼ね合いもあり頻繁には参加するのが難しいという観点から、1か月に1回程度のペースで開催していた。ところが、オンラインになった途端、頻度は1週間に1度程度に大幅に増えたのである。主催側は会場を押さえる必要がなく、いつでも開催することができる。参加側もイベントが始まる数分前まで仕事なり家庭なり、自分の時間を過ごすことができる。何ならイベントに参加しながらでも並行して作業することもできるし、子供の面倒を見ながらだって参加することができてしまうのだ。

■オンラインは距離を超える
オンラインは、距離がなくなるというのも新たな発見だ。ネット環境さえあれば、日本中はもちろん、世界中の人と瞬時につながることができる。実際に先日、ドイツ在住の建築家やデザイナーと、京都の社寺建築の現場をつなぎ、意見交換を行うという「オンライン工房」(ゲーテ・インスティトゥート京都様との共催)を開催した。オンラインでどこまでのことができるのか、という不安はあったが、参加メンバーからは「非常に臨場感がありドイツにいながら日本の社寺建築に触れることができ、大変満足している」という声があがった。もちろん、触覚や嗅覚、味覚などオンライン上で感じるのは難しいが、スタビライザーを搭載した機器を使えばかなりクリアで見やすく、至近距離にまでよった映像を発信することが可能で、モノづくり現場発信の可能性が大きく広がったと実感している。

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▲「オンライン工房」の様子


■次なる試み

新しいチャレンジとして「コラボ商品開発オープンミーティング」なるものを近日開催予定。2社以上の工房・工場がコラボし、新しい商品を考える企画会議の様子をオンラインでリアルタイム配信するというイベントだ。その様子を観た人々が、「こういうデザインだったら欲しいな!」「その価格だとちょっと高いな…」「こういうカラーバリエーションがあったらな」などなど、感じたこと・思ったことをオンライン上で発言し、それを商品開発に反映しながらより良いモノづくりを目指す。どのようなコメントが出てくるのか、どんな商品が生まれるのか、開催が非常に楽しみである。

「コラボ商品開発オープンミーティング Vol.1 楠岡義肢製作所 × 吉靴房」
イベント詳細は▶こちら

実はこの「コラボ商品開発オープンミーティング」は、DWKで開催したオンライン座談会である職人さんから提案されたアイデアなのだ。オンラインでも、人と人が交流することで様々なアイデアが生まれ、新しい取り組みやコラボが進んでいくのだ。リアルよりもハードル低く、距離をも超えて。

これまで2か月ほどの間に開催してきたオンラインイベントを通じて、オンラインの活用が、DWKが目指している「京都のモノづくり現場をオープンし国内外さまざまな人との交流を促進することで、京都が創造性あふれる街となる」というビジョンの実現を、大きく加速することになるだろうと確信している。

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