何度でも訪れたくなる街、函館
大学生のころ、函館に住んでいた。
初めてひとり暮らしをした街。
新しい友達や恋人ができた街。
自然と、素の自分を出せた街。
私にとって、とにかく思い出深く、大切な場所だ。
卒業して函館を去っても、長い休暇を利用して年に一度は訪れている。
今年も、なんとか訪れることができた。
4年前と比べると、やっぱり色々変わっているところもある。
特に駅前の変化にはびっくり!
商業施設や宿泊施設がぐっと増えている。
なくなってしまった店もあるけれど、新しい店がばんばん出ていて、「学生のころにこの店があったら通い詰めただろうな〜」と想像してみたり。
泊まったホテルの部屋は階数が高く、眺めの良い部屋から街の様子を見渡すことができ、ちゃっかりプチ夜景を楽しんでしまった。
反対に、4年前とまったく変わらない風景も存在し、どこか安心するとともに、学生の頃にタイムスリップしたような気分になった。
* * *
函館を舞台にした物語や映画は意外と多くある。
土地の両脇が海に囲まれ、独特な形状をしているところ、歴史が刻まれた建造物と近代的な都市の街並みが上手く調和しているところなどが、絵になる景観を生んでいるのかもしれない。
函館に住んでいた学生の頃はあまり意識していなかったけれど、離れてから無性に函館が恋しくなった。
街並みや大学時代に出会った人達との思い出も含め、いい街に住んでいたな、と思う。
* * *
社会人になって旅行として函館に訪れると、毎度、肩に入っていた力が抜けるような、心がすっと平らになるような気持ちになる。
私にとって、函館という街はそんな魔法がかかつた、不思議で、特別な場所だ。
学生時代の自由で気楽だった日々を、身体が条件反射的に思い起こすからかもしれない。
そして、やたらに自分を飾ったりしていなかった等身大の”私”に戻れる気がして、そんなことを期待して、何回も来てしまう。
もう学生時代の友人はほぼ函館にいないし、変わってしまったあの店が、昔は何だったのかも思い出せない。
それでも私は、きっとまた訪れたくなる。
日常へ戻っても、ふとした瞬間に思いを馳せることをやめられない。
今回の旅で、思い出の場所に勇気をたくさんもらった。
エネルギーをなみなみにチャージできた気がする。
だから、明日からまた一歩ずつ、自分らしい足どりで歩んでいきたいな。