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THE DAY THAT IS PURELY AMERICAN-(1)

11月になったのでサンクスギビングのお話でも。ハロウィン来たな~ってとこから、サンクスギビング→クリスマス→1年終了という流れはおっそろしく早い。

“THERE IS ONE DAY THAT IS OURS. THANKSGIVING DAY IS THE ONE DAY THAT IS PURELY AMERICAN.” - O. HENRY 

タイトルは、作家O.ヘンリー(最後の一葉の作家)の言葉。『私たちの日があります。 感謝祭は純粋にアメリカ人である日です』

そんな言葉があるくらいにThanksgiving。感謝祭というのはアメリカ人にとっての大イベント日。いや、大大祝日とでもいおうか。日本でいうとお正月的なものである。こちらのWikiにもあるが、アメリカでは11月の第4木曜日。感謝祭は、祝日となるアメリカ合衆国の祝祭日であり、現代アメリカ人の意識の中では、たくさんの親族や友人が集まる大規模な食事会であり、大切な家族行事のひとつと位置づけられている。特に感謝祭前日と感謝祭休日最後となる日曜日は、空港、高速道路、鉄道などの交通機関が1年の中でも有数の大混雑・大渋滞となる。

そんなわけなので仕事も感謝祭前日は休みになるし、がっつりと数日間の休暇を取る人も多い。サンクスギビングの頃にがっつり休暇、で、クリスマスの前後にがっつり休暇。1月2日からは通常営業なのだが、この12月31日から、1月1日の温度差というか、それまでえらい盛り上がりだったのに、いきなり『スンっ』といきなり下がる感じはいまだに慣れない。日本人ゆえ。

私が家族なしでサンクスギビングを過ごしたのは最初の1年だけで、後はすべてアルゴ家族と過ごしている。

義母が生きている頃は、義母と私で一緒にディナーを作ったり。義母が入院している時は私が作り、ディナーを彼女の病室で過ごしたこともあった。義母の身体が弱ってからの数年は私がすべてを作り、義母宅で祝った。義母の手伝いをしているうちに私はアルゴ家の祝日料理のメニューをすべてマスターすることができた。義母の死後は、近所に住むおば夫婦と数人の友人たちを招いてのディナー。もしくは車で2時間ほどのところに住む叔父夫婦の家に招かれてのディナーである。

ヘッダーの写真にあるが、伝統的な料理は、やはり詰め物をした七面鳥の丸焼き。大抵は冷凍したものがスーパーで売っているのだが、七面鳥の解凍には2日ほどかかる。マッシュポテト、グレイビーソース、キャンディヤム(ヤム芋をくっそ甘く煮たもの。喉が焼けるほどに甘い)。グリーンビーンズキャセロール(インゲンをホワイトソースに絡め深めの皿に入れてフライドオニオンチップをまぶしてオーブンで焼いたもの)、クランベリーソース。後は、それぞれの家庭の好みによるが、うちの場合は、ベイクドマカロニ&チーズ、コーンブレッド、カラードグリーン、野菜の付け合わせ諸々、サラダ、ビスケット、あとはアップルパイにパンプキンパイ。

これらのディナーを作るのに買い物のプランから作り始めるもろもろ。作成時間は2日に分けるが準備を入れると4-5日かかる。日本でいうおせち料理を作るようなものだ。

だがしかし、ちょっと切ない。なぜ切ないかというと、大抵の場合、このサンクスギビングは、私の誕生日と被るからである。

料理は好きだし、家族が集まる大事な日でもあるので、ぶぅぶぅ文句は言っていられないが、にしたって切ない。本来なら祝ってもらえる日なのに、なぜか私がメインで客を迎え入れる準備をせねばならぬのか、などとどうしても考えてしまう。そして料理だのテーブルセットアップなど、アルゴ、およびおば4(アルゴママの一番下の妹)は全く役に立たないので、全部ひとりでやることになる。好きでやっていても、それなりの労働ではあるので、イライラすることもあれば、疲れる。

ママ5姉妹の一番下の妹であるおば4の話はしばしば書いているのだけど。この人はとにかく、計画性というものがまるでなく、とても良い人なのだが、何かと面倒なこともある。天真爛漫で少女のような人、と形容するのが1番、しっくりする。

親戚関係にありがちなお話である。おば4の他人を巻き込む無計画性については、こちらのお話を参照にしていただきたい。面倒に巻き込まれ怒るけれども、決して憎めない大事なおはざんなのである。悪気が無ければ何やっても良いってわけじゃないが、悪気が無いためにうへぁなことがいっぱいあるのである。

そのおば4が三年連続、サンクスギビングの折にやらかしてくれたので(詳細はその2にて)今年、我々夫婦と3匹の犬は、サンクスギビング、および、私の誕生日を山奥のキャビンで過ごすことにした。電話も通じず、ネットもない山である。

すまんな、Oヘンリー。純粋アメリカ人ではなくて。私は日本人だからそれでいいのだ。

この時期、会話はもちろん「サンクスギビングどうする?」とよく聞かれる。「山に行きますよ。山ごもり」と答えると大抵、爆笑される。なんで、山wwwwwてか、サンクスギビングなのに?的な。

そもそも、山の中のキャビンなんて夏のキャンプで行くようなところで今の時期に行くような場所でもない。だって何にもできないもの。スキーとかする人には良いのかもしれないけど、やらないので、キャビンに引きこもるのみ。

今年はあの凶器にもなりえるガチガチに凍った七面鳥を購入し、2~3日かけて解凍(場所を取るので非常に邪魔)。更に、きれいにして水分をふき取った後にあれこれ味を付けた後、詰め物を作り、入れて、6時間から8時間ほどオーブンで焼き(場所を取るので非常に邪魔2)、頻繁にオーブンをチェックし、鳥からでるオイルを吸い取り、かけて、焼けるのをひたすらに待つ。という行為をしなくていいのかと思うと、非常にうれしい。大体にしてそんな苦労をしてもまず食べきることはないし、サンクスギビングの後は延々とターキーを食べる羽目になるのだ。

ちなみにまだおば4はこのことを知らない。ので、お知らせしたら大いに怒り、悲しむであろうが、次に続く話を読んでいただきたい。そしたらおそらくわかっていただけるかもしれない。アルゴ家、サンクスギビング中止のお知らせ、に至る経過を。

(その2へ続く)



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