🍎家の食卓【6】七面鳥丸めた〜の

2023年1月14日 22:41

我が家の食卓・料理事情なぞを綴っていくこの🍎家の食卓シリーズ。

今回は、2022のクリスマスに作った七面鳥のレシピを書き記したい。

サンクスギビング、クリスマス。必ず出てくる、それが七面鳥。ちなみに前回の記事では、サンクスギビング、Fried Turkey（丸揚げ七面鳥）の調理法をご紹介しております。

１２月に長々と『めんどくせぇクリスマス２０２２ 🍎と愉快な仲間たち〜クリスマス編』なる記事を上げ続けたのであるが、このクリスマス記事を書き始めたきっかけは、タグの[#クリスマスの過ごし方]を見かけたからで、よ〜し、それならいっちょアメリカのクリスマス、そうだ！七面鳥なんぞの料理記事を書こう。って思ったのがきっかけだったのに、おかしいな。

いやでも地獄のようなスケジュールのクリスマスだったからそら、できないよ。というわけでこちらの食卓カテゴリーであげることにした。
こちらにまとめた2022クリスマス記事。

というわけで、七面鳥丸めた〜の（命名、私）制作レポートである。

言っておく。七面鳥画像、グロいから、グロだめな人は見ないほうがいいですよ。ほんとグロいから。初めて亡きママに調理方法を教わったとき、あまりのデカさとグロさに私は半泣きだったもの。でもレシピというか工程を披露するのがメインなので写真、もりもりになってしまうのです。

七面鳥の骨抜き作業の折、日本人の友人が見たい！ってんで来てくれたので彼女にカメラマンを頼んだのである。おかげで、いちいちゴム手袋を外して、写真をとる、という工程が省かれたので、よかった。しかも友達、めっちゃ写真とってくれた。ありがてぇ！

始める前にもう一回念を押しておきますね。

七面鳥画像、グロいから、

グロだめな人は見ないほうがいいですよ。

それでは参りましょう。『七面鳥丸めた〜の』の材料と道具です。このセンスのかけらもないネーミングはもちろん、ネットミームのソーセージ丸めた〜のからいただきました。

道具。

よく切れるナイフ、包丁。今回、使用したのはこちら。

んふふ。かわええやろ？ヨーキーの布巾。
あと見て！みて！りんご柄とまめ柄のお布巾。んふふ〜日本の親友にもろたの。

キッチン鋏（筋と巻きつける紐を切るのに使うよ！）
アルコール(調理には使いませんよ！調理台の消毒用ですよ)
使い捨てテーブルクロス。
ペーパータオル。
でかいまな板。
ボウル（切り取った骨なぞをいれていく）
紐（ハーブとか巻くやつ）
麺棒とラップ
割烹着（日本に帰ったときにいとこにもろた）
使い捨てゴム手袋（肉をいじくり回しますからね）

材料。

七面鳥：今回は９キロ、６キロのものをご用意いたしました。七面鳥、１人あたりの量は１パウンド（４５３g）でございます。冷凍された状態でスーパーで売ってます。

調味料：オニオンパウダー、ガーリックパウダー、塩、黒胡椒、セロリ塩、Adobo, Sazon

AdoboとSazonは、よくスパニッシュ料理に使われるシーズニング。とりあえず、こいつらがあればなんとかなります。なんでもうまくなる魔法の粉です。

ちなみに私はいちいち計量しないので、すべて適宜（開始からすでになんの役にも立たないレシピ記事！ひどい！）

Stuffing：中に詰め込むスタッフィング。例年であればこいつも手作りするが、2022年はもうほぼ燃え尽きていたのでインスタントを使用。細かく切ったパンにもろもろシーズニングしてバターで炒めて作るのである。

手順。

１。かっちかちで、殴ったら人をSATUGAIできそうなくらいにかっちかちの七面鳥を冷蔵庫に３日間ほど入れ、解凍します。常温放置プレイですとお肉が痛みますので、くれぐれも冷蔵庫の中で数日、放置プレイしてください。

２。七面鳥をきれいに掃除します。特にお腹の中のとこ。羽の下の部分なぞ。パッケージから七面鳥を取り出す作業はシンクで行いましょう。とても大事なポイントです。3日間、冷蔵庫にて放置プレイしても、おなかの中には溶けきれない氷が入っています。びっしゃぁぁぁと水が飛び出る。水でさっと洗い、ぺーパータオルで水分を拭き取ります。ごしごしこすらず、パッティングです。

**なまなましい……**横に出してあるのは首の骨と内蔵（レバー、砂ずり）これはお腹の中にいれてあるので洗うときに引き出すのだ。こちら、９キロの方の七面鳥

普通に丸鶏（丸七面鳥？）で調理する場合、ここで味付けを施しますが、今回は七面鳥丸めた〜のでありますから次の工程へ。こちら、普通に丸いまま味付けし、中身を詰めて、焼いたもの。

こんなにもデカいので、イブから下味をつけて〜とすると**冷蔵庫の中で大変場所を取る**のですよ。なので私はこの丸めた〜のを始めたわけです。

→冷蔵庫の場所をとらない他にある丸めた〜のを作るメリット。大抵、余ってイベント後、延々と食べることになる七面鳥。丸めた〜のですと物珍しさも手伝い、大抵、完食されます。また、骨を抜くことで食べるときに骨を出す作業が省かれます。さっくり皿にとれます。さらに、抜いた骨でスープストックも作れ、このスープストックを他のお料理に活用することができますよ。丸鶏で焼くと、たいてい、骨の周りにたくさん肉がついているのに、面倒で数日間食べたあと、結局、捨てられますからね。エコですね。あと、丸めると七面鳥が非常にしっとりと仕上がります（丸鶏のまま調理するとパサパサになることが多いのです）

→丸めた〜のを作るデメリットは、めんどくせぇことと、めんどくせぇことです。時間とお金に余裕のある方は、肉屋（専門店）で骨抜きをしてもらえますよ。あと、もうなんなら、七面鳥の胸肉部分のみを購入し、丸めるでもいいですね。あとカービング（食べるときにスライスすること）の得意な人の注目の場面を奪ってしまうことですね。

３。アルコールで調理するカウンターを消毒。そして使い捨てレジャーシートを敷きます。なぜならすごくびったびたになるのと、七面鳥１羽が収まるまな板がないからです。

すぐ横にボウルをセットし、骨や使わない部分を入れられるようにしておくとよろしいでしょう。

４。では、七面鳥を捌きます。長丁場になるのでワイングラス片手に作業です。ポイントは、皮を破かないこと。よく切れるナイフを用意しましょう。まず、手羽の部分、大して身もないところを切り取ります。切り取った部分はスープにするのに保存。捨ててはいけません。また冷凍七面鳥には、中に内臓や首の骨が入れられた小袋が仕込んでありますが、こいつもとっておきましょう。私の料理の基本ルールは、使えるものは全部使い、できるだけ無駄をださぬこと、なのです。

５。背骨の方からナイフを入れていきますよ。必ず背中の方から！大事な大事なポイントです。お腹側からやると、くるむ皮がうまいこと残らないのです。そして骨（真ん中、肋骨でケージ状になっとるとこ）にそって、肉を削いでいきます。ゆっくり、焦らず、これがポイントですよ。皮・肉部分をぐいぐい横に引っ張って骨にそってナイフをいれていくとはかどります。

真ん中の背骨の肉のとこ。これは骨を抜き終わったあとに、こそぐように肉部分を取って、
開いたとこにおいて、まとめて巻きます。

６。足の付け根の骨、肩の骨。ジョイント部分を外します。ジョイント部分、つまり軟骨はナイフで切ってもいいですけど、手でごきっと外す方が早いです。あと筋や軟骨はキッチンバサミを使用するとよろしいです。この過程で、うが〜！っとなり七面鳥をひっくり返したくなりますが、絶対にひっくり返さないように。

また大層、グロいので、肉を求めてやってきたまめこさんと、
カメラマン友人に構って攻撃をしかける大五郎さんを貼っておきます。

７。ポイントは肉をひっくり返したりせず、こつこつと、背骨の方から、お腹のとこ、ぎりぎりまで肉と骨をそいでいく。左右攻めていき、真ん中の肋骨のとこを完全に外しますよ。

８。足の骨は、足の真ん中にナイフをいれ、足の骨を抜き取ります。筋がのこるので丁寧に取り除きましょう。足の骨は２本。腕は１本です。

割烹着を発明した人は天才だと思う。裾が汚れず、衛生的。
私はこのようなガチのガチ料理をする時に戦闘服として割烹着を着用する。

９。これにて骨抜き作業終了。胸肉を観音開きにしてシーズニングをします。

開いた肉は、きれいに広げて、麺棒でとんとんと表面を均していきます。肉にサランラップをかけ、とんとんと同じ厚さになるまで軽く叩きます。

胸肉のあたりは分厚くなるので、叩く前に、胸肉部分だけ観音開きにすると平らになりやすい

味見ができないのでシーズニングはちょっとした賭け。
グレイビーをかけたりして食べるので、**少し薄いかもしれねぇなぁ、くらいの量の調味料。**

また肉肉しい写真が続いたので、もう骨も抜けたやろ？**肉くれや！**と
**友人カメラマンに絡む肉食系女子まめこさん**を貼っておきます。
賢きりんご氏は生肉なぞに興味はないため、ただただ私の足元にずっと座っていました。

１０。スタッフィングを詰めますよ。欲張らぬことがポイントです。巻きずしの具をいれるのと同じことです。欲張るとはじっこからこぼれ出ます。

スタッフィング。水をカップ３分の2
くらい、沸かして、そこにバターを３０〜５０グラム入れ、乾燥してるパンのようなものを入れるのです。

作るのもたいした手間ではないのだが、2022年はちとやることが多すぎてこのインスタントのものを使用。スーパーで普通に売っています。１袋、６ドルくらい。

おわかりいただけるであろうか。水分をきちんと拭き取っても水がでて（シーズニングで塩分が加わるせいもあるけれど）びったびたになるので、七面鳥を捌く時は、使い捨てレジャーシートが必至なのである。これは６キロの方。こちらには少しだけシュレッドチーズも乗っけてみた。

１１。巻きずしのように七面鳥をえいやっと丸めますよ。そして皮の方にもシーズニングをします。

１１。紐でくくりますよ。これがまた結構大変ですが、がんばりましょう。

**焼くときは別の大きなトレイに移します。**小さいトレイなのは、冷蔵庫で保存する時に水分がでるのでその水分をできるだけ流出させないようにするため、と。冷蔵庫の場所節約のため。
だって他にもクリスマス料理がごっそりあるのですもの。省スペース、大事。

Spatchcock Turkeyといって、丸めず、開いたまま焼くスタイルもあります。これも良きですが（楽だし）でも中にスタッフィングを詰められないのでそこがデメリット。うちの親族は、「七面鳥の中に詰めたスタッフィング（ドレッシングともいう）」が好きなので別途調理というオプションはないのである。

完成です。

ちなみにこの工程は丸鶏（チキン）でもできますし、丸鶏だともっと短時間でできるのでよろしいでしょう。七面鳥は、ここまでの過程で１時間ちょいですが、チキンだと３０分もかかりません。私は丸鶏（🍗🐔）も丸めた〜のを作り、２０２２年は、焼くバージョンと油で揚げるバージョンを作りました。なにかな？肉屋さんかな？ってくらいさばきまくってましたよ。

焼き工程。

成形した七面鳥は冷蔵庫にいれ、クリスマスの当日に400°F (204°C)に予熱したオーブンで2〜３時間ほど焼きますよ。途中、見て温度を下げたり、焦げ防止にアルミフォイルをかけましょう。

そうだ、これもメリット。丸めた~のは、丸鶏調理するより早く焼き上がり、また、オーブンスペースが少なくてすみますよ。イベント時はオーブンフル活用なので省スペースは大事！

普通、９キロサイズの七面鳥、丸鶏のままだと４〜５時間かかりますからね。ちなみに焼くときは大量の油が出るので、大きなサイズのアルミに移し替えます。

人によっては、焼く前に薄くオイルを塗る人もいるようですが、私は、焼いている最中にでるオイルをでかいスポイト状の調理器具でとって、上からかけ回します。焼いている間、３〜４回。

焼いている最中にでた油はでかいスポイト状の調理器具で吸い取り、別途容器に移して取っておきます。グレイビーソースを作るときに使うのです。こんな漫画みたいなスポイトですが、アメリカの一般のご家庭には普通にありますよ。

ちなみに焼き上がった写真はこちら。

**なんだろう。エロっぽくない？こう緊縛的**なさぁ……
これはちとまだ焼きが足りない状態。焼き始めて２時間半。全体がゴールデンブラウンなるようにオーブンの温度を１８０℃くらいに下げて更に１時間焼きました。

我が家は大人数のクリスマスだったのでバッフェスタイルでしたので、切り分けて、各々が取るスタイルです。

抜いた骨、小袋でついてきた内臓と首の骨は、すべて大きな鍋にぶち込み、さっと洗います。そこに玉ねぎ、セロリ、人参、月桂樹、なんならパセリもろもろの野菜とハーブをぶち込み、スープにします。

Pressure Cooker うちの電気圧力釜は、低温調理機能付きなので、寝る前に低温調理でセットして、アクを掬って、浮いてる油とか皮なんかも取り除いて、そこから１時間、圧力かけます。

私は低温調理器で１２時間ほど放置プレイ。途中、蓋をあけ、アクを取り除き、放置プレイ続行。ここで作ったスープストックを諸々の料理に使いますよ。時間がない場合は、圧力鍋を使うと良きでしょう。

こちら１２時間低温調理し、そこから１時間ほど電気圧鍋で調理。
Bone Brothといって、骨からの旨味までも溶かし込んだスープ。
こいつを濾して、骨を取り除いたもの。浮いているのは骨からおちた肉。

グレイビー：七面鳥の骨、野菜でスープストックを作り、バターと小麦粉炒めたルゥをストックでのばし、塩胡椒で味付け。七面鳥を焼いている最中に出てくる油をすくい取り、混ぜ、スープストックで伸ばしていきますよ。
グリーンビーンズ、コラードグリーンなぞもこのスープストックで煮るとよろしきでしょう。
スープストックは大量に余るので、冷凍保存しておいて、後日、スープを作ったりに使用します。犬たちが食欲のないときにこのスープと肉をカリカリにかけたりもします（スープストックも肉も味付けされてないので）

以上！

めんどくせぇレシピ、かつ日本ではちっとも役に立た無さそうなそんな七面鳥の丸めた〜のでした

あと最後に。気になるお値段を書きます。今年はインフレのせいもあり、あと、七面鳥もチキンの丸鶏も１年を通してスーパーで売っているけど、やはりクリスマスやサンクスギビングの前は値段が高くなる傾向にあります。

９キロ（１９lbs）のものが、３５ドル。
６キロ（１３lbs）のものが、２９ドルくらい。

もちろん、オーガニックのものはこの２倍くらいのお値段になります。

チキンの丸鶏は、やっすかった！丸鶏１羽、５ドルくらい。
アメリカは胸肉が高いんですよ。チキン。あと、骨がついてると安い。

書いていてふと気づいたけど、今回、口調（？文体？）が「ですます」「ですよ」となっているのは、私の中の土井善晴先生へのリスペクトのためであろう……お料理を紹介するときの土井善晴先生の口調が私は大好きなのである。

END