シリーズ「霊の中に生きる」 No.10人の霊(10)⑨

シリーズ「霊の中に生きる」 No.10
人の霊(10)⑨

すべての名にまさる「イェシュアの御名」(2)

●聖書の最高の教えは『霊の中に生きる』ことです。

シリーズ「霊によって生きる」の第十回目です。

今回も「人の霊」について扱います。
今日はその第9回目です。

人の霊(10) - 牧師の書斎

●17世紀、イギリスのバプテスト教会が生んだ有名な説教家、チャールズ・ハンス・スポルジョン(1834~1892年)は次のような体験を語っています。

チャールズ・ハンス・スポルジョン

ある日、彼は寝たきりの老婦人の家に呼ばれました。老婦人は栄養失調で今にも死にそうな状態でした。

スポルジョンが彼女の家を訪れると、部屋の中には額縁に入れられた一枚の文書が壁に掛けられていました。

彼は彼女に「これはあなたのものですか。」と尋ねました。彼女は「そうです。」と答えました。

そして彼女はかつて自分がイギリスの貴族の家でメイドとして働いており、その貴族の家の奥様が亡くなられる前に、それを自分にくれたことをスポルジョンに話しました。

彼女はなんとその亡くなった夫人に半世紀(50年)近くもの間仕えてきたのでした。

そしてその奥様がくれた文書を大切に額に入れて、その奥様が亡くなられて以来10年もの間、壁にかけてあるのです、と彼女は説明しました。

スポルジョンは「それを私にお貸し願いませんか。もっと詳しくそれを調べてみたいのです。」字を読むことができなかったその婦人は言いました。

「ええ、いいですよ。ただ、必ずそれをお返しください」と。

スポルジョンはその筋の権威のところにその文書を持って行って調べてもらいました。

それはなんと遺産でした。

イギリスの貴族の夫人が長い間仕えてくれたメイドに家とお金を遺していたのでした。

老婦人はたった一部屋しかない木の箱のような小さな家に住み、飢えて死にそうになっていたのです。

しかしながら、彼女には十分に世話をしてもらい、立派な家に住むことのできる遺産が与えられていたのです。

そのことを示す文書を彼女は知らずにずっと壁に掛けていたのです。

  • スポルジョンはその遺産が実際に彼女のものとして使えるように手助けをしました。彼女がもっと早くにそのことを知っていれば、得られたであろう益は大きかったはずです。知らないばかりに、みじめな生活をしていたのです。

この話は今日のクリスチャンを代弁しているかもしれません。

私たちは偉大な遺産を与えられているにもかかわらず、みじめな生活をしているかもしれないのです。

キリストによって与えられている遺産の文書をしっかりと読んでいないかもしれません。あるいは読んでいても、目がふさがれていて理解できないのかもしれません。

信じる者に与えられている神の偉大な力、それは「イェシュアの御名」という権威なのです。

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