日本の残されし民より未来の全人類(選ばれし民)へ 。シリーズ『出エジプト記』に読む神のご計画
12.出エジプトの輝かしい勝利の歌⑥
出エジプト記 15章1節~21節
『“神に召された一人の偉大な指導者”が誕生すると、奴隷状況にあった一つの民族が解放されて、神の使命に生きる偉大な民族と変わりゆきます。 その最初の選びがイスラエル民族にありました』。
今回は「12. 出エジプトの輝かしい勝利の歌⑥」について学びます。
出エジプトの輝かしい勝利の歌(改訂) - 牧師の書斎
13:21
主は彼らの前に行かれ、昼は雲の柱をもって彼らを導き、夜は火の柱をもって彼らを照し、昼も夜も彼らを進み行かせられた。
13:22
昼は雲の柱、夜は火の柱が、民の前から離れなかった。
出エジプト記13章21〜22節
わたしたちの神は贖いの神です。
この神の贖いの目的は
“ご自身の民を神の聖所に住まわせること”
です。
神が贖われた民を導いていくのには目的があります。21節から、その目的を示す二つの動詞を拾ってみたいと思います。
(1) 「連れて行く」
「連れて行く」と訳された「ボー」בוֹאのヒフィル態(使役形)で、「入る、連れて入る、連れて行く、来させる」という意味で、そこには明確な目的があります。
どこへ連れて行くのかといえば、それは「神の住まわれる場所に」です。
(2) 「植える」
「植える」と訳された「ナータ」(נָטַע)は、旧約で59回使われていますが、出エジプト記ではここ(15:17)の一回限りです。
どこに植えるのかといえば、出15章21節によれば「主の山」「御住まいのためにあなたがお造りになった場所」「主の御手が堅く建てた聖所」です。
つまり「神の住まわれる場所」と言えます。
そこに神は民を「連れて行って」、そこに「植える」のです。「植える」とは、神とのかかわりを根付かせるということです。神とのかかわりを神ご自身が自ら根付かせてくださるのです。
「聖所」と訳された「ミクダーシュ」מִקְדָּשׁですが、ここでは「ミックダーシュ」(מִקְּדָשׁ)と表記されています。
15章17節ではじめて登場する語彙です。
出エジプト記25章以降では幕屋建設について記されており、幕屋を造る目的が8節に記されていますがそこにも登場します。
「彼らがわたしのために聖所(מִקְדָּשׁ)を造るなら、わたしは彼らの中に住む」と。
• 神が住まわれる場所は、歴史的に変遷します。最初の場所は移動式の幕屋です。やがて約束の地に入っても幕屋ですが、ダビデの時代にはモーセの幕屋と対比する新たな幕屋、すなわち「ダビデの幕屋」と言われる(至聖所がむき出しにされた幕屋)ところに神は住まれます。さらにダビデの次の世代にはソロモン神殿が建てられます。しかしそれはやがては崩壊します。新約時代における神の住まわれる聖所(神殿)はキリストを信じる者のうちに建てられます。
• 大切なことは、「幕屋」「聖所」「神殿」と言葉が違っても、いつの時代においても、それが必要とされる究極的な目的は「神が人のうちに住む」ことです。
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