『日本の残されし民より未来の全人類(選ばれし民)へ』 シリーズ『出エジプト記』に読む神のご計画 第ニ章 ③
『日本の残されし民より未来の全人類(選ばれし民)へ』 シリーズ『出エジプト記』に読む神のご計画 第ニ章 ③
ミデヤンの地における隠れた40年間の生活
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モーセの生涯において最も重要な出来事は、次章の3章に記されている「神からの召命」です。しかしモーセに対する召命は、モーセがこの世に生まれ出る前から神の計画の中にあったことです。それが時至って明らかにされるのです。したがって、実際に神からの召命の声を聞くまでの期間も、実は神の計らいによって導かれているのです。
主の言葉がわたしに臨んで言う、
「わたしはあなたをまだ母の胎につくらないさきに、あなたを知り、あなたがまだ生れないさきに、あなたを聖別し、あなたを立てて万国の預言者とした」。
エレミヤ書1章4節〜5節
モーセがミデヤンである人の娘たちを他の羊飼いたちから守ったことから、彼女たちの父レウエルがモーセを自分の家に招いたとき、モーセは「思い切ってこの人といっしょに住むようにした」(2章21節)とあります。
「思い切って」というのはなんとなく不自然な感じがしますが、「思い切って」と訳された原語は「ヤーアル」(יָאַל)で、
本来は「決断する」「覚悟する」「愚かになる」「愚かに振る舞う」という意味です。
少し前までエジプトのプリンスであったモーセが、今や行く宛もない身となり、これから生きていくためには自分が愚かになって(へりくだって)、この人と一緒に生きるほかなかったのです。
そのことをモーセは自ら受け入れ、決断したのです。
このミデヤンの地で生きるためには、ある意味では、これまでの自分に「思い切る」必要があったのです。
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その決断をしたモーセに、レウエル(祭司イテロとも言います)は自分の娘チッポラを与えました。
モーセは彼女との間に男の子を与えられ、「私は外国にいる寄留者(「ゲール」גֵר)だ」という意味の「ゲルショム」という名前をつけました。
モーセがミデヤンの地で過ごした40年の年月は、かつてのエジプトの生活から比べるなら、とても、ゆっくりと時間が流れていくような生活でした。エジプトで培った知識はこのミデヤンではほとんど必要とされませんでした。
一つの家庭を持ちながら、また羊飼いという単調な仕事をしながら、静かな生活を余儀なくされました。
しかしモーセはここで、神によって必要とされるそのときまで、彼に必要な訓練があったのです。
「大切なことは見えないのさ」(『星の王子さま』-サン・テグジュペリ)とあるように、このモーセのミデアヤンでの隠れた40年間の生活こそ、彼の人格を磨く大切な時だったのです。
このことを“この出エジプト記2章”は2600年の時を経て現代に生きる私たちに語りかけて来ます。
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