『日本の残されし民より未来の全人類(選ばれし民)へ』 シリーズ『出エジプト記』に読む神のご計画 第五章 ②
『日本の残されし民より未来の全人類(選ばれし民)へ』
シリーズ『出エジプト記』に読む神のご計画 第五章 ②
『“神に召された一人の偉大な指導者”が誕生すると
奴隷状況にあった一つの民族が解放されて、神の使命に生きる偉大な民族と変わりゆきます。
その最初の選びがイスラエル民族にありました』。
この五章ではいよいよモーセ(とアロン)がエジプト王パロの前に立って主のご命令を伝えます。
これは主なる神から“イスラエル(神の民)の偉大な指導者モーセ”を誕生させるために彼モーセにあたえられた訓練の時でもあります。
5. パロとの交渉(1)その二
エルマー・A・マーテインズ著「神のデザイン」(旧約聖書神学の試み)と題する邦訳が2015年5月に出版されました。
著者はメノナイト・ブラザレの神学校の教師です。
本著は、神の計らい(ご計画)とその目的(=「神のシナリオ」と表現)を出エジプト記5章22節~6章8節のテキストに見出し、聖書神学を樹立された方です。
●このテキストを簡単に要約すると、【モーセの二つの問いかけ】と、それに対する【主の返答】からなっています。
1.
【モーセの二つの問いかけ】
(1)「主よ、なぜ、あなたはこの民をひどい目にあわせられるのですか。」
(2) 「いったい、なぜあなたは私を遣わされたのですか。」
2.
【主の返答】・・主の自己啓示と四つの神のデザイン
(1) 主の自己啓示
「わたしは主である。」
神はモーセに言われた、「わたしは、有って有る者」。
また言われた、「イスラエルの人々にこう言いなさい、『「わたしは有る」というかたが、わたしをあなたがたのところへつかわされました』と」。
出3:14
主はモーセに言われた、「今、あなたは、わたしがパロに何をしようとしているかを見るであろう。
すなわちパロは強い手にしいられて、彼らを去らせるであろう。
否、彼は強い手にしいられて、彼らを国から追い出すであろう」。
神はモーセに言われた、「わたしは主である。
出6.1〜6:2
それゆえ、イスラエルの人々に言いなさい、
『わたしは主である。わたしはあなたがたをエジプトびとの労役の下から導き出し、奴隷の務から救い、また伸べた腕と大いなるさばきをもって、あなたがたをあがなうであろう。
わたしはあなたがたを取ってわたしの民とし、わたしはあなたがたの神となる。
わたしがエジプトびとの労役の下からあなたがたを導き出すあなたがたの神、主であることを、あなたがたは知るであろう。
わたしはアブラハム、イサク、ヤコブに与えると手を挙げて誓ったその地にあなたがたをはいらせ、それを所有として、与えるであろう。わたしは主である』と、
出6:6〜6:8
(2) 神の民に対する四つのデザイン
①解放
「わたしはあなたがたをエジプトの苦役から導き出す(יָצָא)。
あなたがたを重い労働から救い出し(נָצַל)、伸ばされた腕と大いなるさばきによって贖う(גָּאַל)。
②共同体の形成
「わたしはあなたがたを取ってわたしの民とし、わたしはあなたがたの神となる。」
③民との関係の進展
「あなたがたをエジプトでの苦役から導き出す者であることを知る。」
④民の祝福
「わたしは、アブラハム、イサク、ヤコブに与えると誓ったその地にあなたがたを連れて行き、そこをあなたがたの所有地として与える。」→約束の乳と蜜の流れる地(カナン)
①②③④の「救済」「共同体」「新しい関係」「土地という賜物」は神のご計画と目的である。
これらはすべて「わたしは主である」という
言葉で括られています。
主はご計画と目的を持っておられる。
この計画は、
①解放をもたらすこと、
②神のものとされた人々に言葉を教えること、
③彼らに神ご自身を知らせること、
④約束の成就として土地を与えること、
です。