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「そうせざるを得ない」んだから。


「そうせざるを得ないんだから」。


わたしが行き詰まったらいつも思い出すようにしている言葉です。
どういうことに行き詰まった時かっていったら、まあだいたいは人間関係です。特に職場。

「あの人は何でああいう言い方するんだろう。もっと優しく言ってくれたらいいのに」
「同じクラスの◯◯ちゃんはいつも私に嫌味を言ってきて、もう会いたくないな」
「あれだけ言っても部下が仕事のやり方を覚えない。だめなやつだ」

似たような悩みに置き換えて、思いつくだけ並べてみました。
そういう時があれば、一言、

「あの人は今、そうせざるを得ない状況なんだ」

と、思ってみてください。
……どうです? 相手に対する怒りや不安が、少しだけ軽くなりません?
え、どういうこと? と思っている方、ここで閉じないで。もうちょっと話しましょうか。

例えば、あなたが職場(学校)で、書類や宿題を提出してと言われました。
あれ、このファイルにしまっておいたはずだけどな、と慌てて鞄の中や引き出しを探していると、怒ったように強い口調で「早くして!」と催促されたとします。

この時、「ごめんね、整理しておけばよかったのに」と悲しい気持ちになったり、「は? 何その言い方?」とイライラした気持ちになったりするでしょう。ちなみにわたしは前者です。
が! 
そう、ここです! ここであの言葉の出番です!


「この人は今、『そうせざるを得ない』んだ」

もう少し状況に近づけて言えば、

「目の前のこの人は今、何かの理由でイライラしていて人に当たらざるを得ない状況なんだ」

と思ってみてください。

もしかしたら、ここに来るまでに何か嫌なことがあったのかもしれないですよね。
それは、自分のデスクにコーヒーぶちまけたのかもしれないし、上司や先生に叱られたのかもしれないし、朝家族とケンカして家を出てきたのかもしれない、上司(先生)に集めるように言われて面倒だった、しかも後に予定があってそれどころじゃなかったのかもしれない……。

色々思いつくかもしれませんが、想像で良いんです。
だって、相手の本当の気持ちなんて相手にしか分からないんですから。

この考えを先程並べた悩み事に当てはめてみると、
☁️「あの人は何でああいう言い方するんだろう。もっと優しく言ってくれたらいいのに」

☀️「ああいう話し方になるまでにきっとそうならざるを得ない何かがあったんだろうな」

☁️「同じクラスの◯◯ちゃんはいつも私に嫌味を言ってきて、もう会いたくないな」

☀️「嫌味を言わざるを得ない気持ち……満たされない何かがあるのかな」

☁️「あれだけ言っても部下が仕事のやり方を覚えない。だめなやつだ」

☀️「覚えられない何かがあるのかもしれない。この方法ではわかってもらえていないのかもしれないから、方法を変えてみるのも一つかな」


といった具合でしょうか。

この言葉の良いところは、後ろにひっついてくる言葉があって。それは「まあ相手が怒っているのは私(/僕)のせいじゃないけど」です(3つ目に関してはまたちょっと別の話ですが、だいたいはこのマインドでOKだと思っています)。

というのも、「そうせざるを得ない」は、理不尽な怒りに対して、自分と他人の責任を区別する言葉でもあるからです。
人間関係で悩んで思い詰める人って、人のことを思いやれ過ぎちゃうところがあるように感じます。それ故に、相手の責任ですら自分の責任だと感じてしまうんですよね。平たく言うと気にし過ぎ、優し過ぎなんです。

そう、今目の前のこの人が怒っていることは、あなたのせいではないんです。

そして、相手が勝手に怒っているように、あなたが勝手に色々理由づけて自分の心を整理しても良いんです。
お互いに、その権利があります。思うだけなら自由なんですよ。思うだけ、ならね。

一言、「あ、この人が今イライラしているのはわたしのせいじゃないな」と思うだけで、結構気持ちが軽くなりませんか?

そしてこの言葉の便利なところが、自分にも使えちゃうところです。
遅くまで塾や部活を頑張って、または残業して、帰ってからもやりたいことはたくさんあるけれど追いつかない……自分がもっとできる人ならこんなことで挫けないのに……。
と、落ち込んでしまう前に、一度思い出してください。

今日一日を自分なりに頑張ったから、今自分は疲れていて早く休みたい。そうせざるを得ないんだ。と。

よかったら、心の片隅に置いておいてみてください。
ふと思い出して、あなたの心を少しでも軽くできれば嬉しく思います。


ま、思い出す「ようにしている」というところから分かるように、いつもこんな風に考えられないから悩むんですけどね!難しいですよね。
ほどほどに生きていこう。

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