「変えたい”今”」がある人へーリフレクションのすすめー
「今の自分を変えたい」「現状を打破したい」と思うのであれば、”人生を変えるような衝撃的な出来事”を待つか、”振り返り”で気づきを得るしかありません。
毎日起こる出来事に、どれだけたくさんの気づきを得られていますか?日々の経験は、無意識のうちにあっという間に通りすぎて、忘れてしまいます。
振り返りの「質」と「回数」が人の成長を決める
ワーママで時間もなく、ずば抜けて何かできるわけではないTHE平凡な私には、”人生を変えるような衝撃的な出来事”を待っている暇はありません。
24時間という時間で起こった出来事から、多くのことを学んぶことが、成長への近道だと思って、育休中に日記と読書録を書き始めました。
振り返りの目的は、経験からの学びを未来に活かすこと。成功しても、失敗しても、+の感情も、-の感情も、経験したからこそ知っていることがある。その経験を知恵に変えることができます。ただ、やみくもに書く日記にも意味がある。しかし、「質が高い振り返りって何だろう?」と思って興味を持ち始めたのが「リフレクション」です。
質の高い振り返りとは?
では、質の高い振り返りとは何でしょうか?
下記は、リフレクションのレベルを4つのレベルに分けたものです。
LEVEL1:出来事(結果)を正しくとらえる振り返り
このレベルでは、経験を学びに変えられません。
例)「今日は犬の散歩に行った 」/ 「プレゼン資料つくりに取り組んだ」
LEVEL2:他者や環境への振り返り
これにどれだけ時間を費やしても、未来を変えるヒントを得ることはできません。
例)「指導に時間を費やしているのに、部下が育たない」
→変えられるのは、自分と未来だけ。状況を変えたいのであれば、部下の課題を横に置いて、自分の関わり方の振り返りを行う必要があります。
LEVEL3:自分自身の行動への振り返り
結果と結び付けることで次にとるべき行動がみえてきます。
「こうすれば、うまくいくはずだ」を書き換える
しかし、経験を振り返っても、次の打ち手を試してみても、課題を解決できないという時ってありますよね。「あれもこれも試したけれど、もーーー限界!!無理だ~~」みたいなとき。そんな時は、行動の前提にある自分の内面(過去の経験から導かれた法則)に意識を向ける必要があります。
LEEL4:内面(行動の前提にある持論)の振り返りです。
人が行動する前提には、「こうすれば、うまくいくはずだ」という仮説があります。意識せずとも、過去の経験で培った知恵を活かし、仮説にそって日々行動しているということです。
「変えたいけど変えられないとき」は、変えないほうが望ましい理由を持っている
例えば、「部下を育てたいけれど、うまく育てられない」という変えたい現状があったとするとき、「部下育成も大事だと思っているが、仕事のスピードを担保することも大事」という理由があります。
仕事のスピードで評価されてきた人の場合、このようなジレンマを抱えていることはよくあること。この場合、LEVEL4の内面の振り返りで「仕事のスピードを担保する自分」と向き合うことが必要です。何が起きているのか、内面を客観視することで、この状況を変えることができます。
頭に汗をかくことで、初めて行動変容できる
内面の振り返りの具体的なやり方については、熊平さんの「リフレクション」では、認知の4点セット(意見/経験/感情/価値観)で振り返ることが推奨されています。私も実際にやってみましたが、”自分で気づくこと”で初めて、行動変容することができるということを実感しました。面談するときも、学生(CL)に指導するのではなく、気づきを得てもらえるような問いを投げられるようになろう。
成長の速い人は、他の人と同じ経験をしていても、気づきが多く、その密度が違う。思考を止めず、ちゃんと頭に汗をかいて向き合うことを大切にしようと思います。
※参考文献