時代劇ドラマに見る徳川家康

NHKの大河ドラマで「どうする家康」が始まりました。ちょっと極端じゃないか、と思うくらいの新たな視点で家康を描くようです。歴史は勝者が造る、などと言われるように確かに江戸時代には「東照神君様」として神格化された徳川家康の実態は脚色されて現代に伝わっているようなところもあることでしょう。これまで大河ドラマに数多く登場してきた徳川家康も、昔は教科書通りに描かれることが多かったようですが現在はそれでは面白くない、視聴率も稼げないというわけで色々考えているものでしょう。今回の家康は松本潤さんが演じるようですが、過去に多くの俳優が演じてきた中で誰が最も良かったか。となると私はこの人、という1人が思い浮かびません。最近では、というよりこれも20年も前ですがやはりNHK大河の「葵徳川三代」で津川雅彦さんが演じた家康が老境の家康としては結構良かったと思いました。映画「関ケ原」では役所広司さんが家康を演じていて、これは合わないのではないかと観る前には思っていましたが老境の家康には結構合っていました。NHK大河では40年も前に「徳川家康」と題したものがありました。主演は滝田栄さんでした。私は中学生の頃でしたが、滝田栄さんはその2年前の「おんな太閤記」で演じていた前田利家の方が合っていたように思いました。滝田栄さん主演の「徳川家康」では役所広司さんが織田信長を演じていて、そちらの方が中々ワイルドな演技が話題になっていたように思います。滝田栄さんは真面目な家康を演じていましたが、当時私の祖父母は「家康は狸親父だ」と言っていて、滝田さんの家康は違うとかよく言っていました。最近では全く見なくなりましたが私が子供の頃には「猿飛佐助」というのをテレビでよく見ました。アニメや実写ドラマなどで何度もやっていて結構人気があったようで私も好きした。佐助は大正時代の小説に登場した架空の人物ですが真田幸村配下の忍者で真田十勇士の1人ということになっていて、そこでは徳川家康が仇敵の悪役です。江戸時代に神様だった家康も明治維新の後には悪役にされてしまうこともあったというわけです。私の祖父母にはそんなイメージがあったのでしょうか。さてかなり古い話になってしまったうえにここでの主題とは離れた内容になってしまいましたので最後に少し仏教的な話題に振ります。映画「関ケ原」で徳川家康が江戸から関ケ原に向かう行列で、徳川家康の乗った籠の前に十人くらいの僧侶が歩いていて「南無阿弥陀仏」の念仏を唱えながら行軍していました。家康は熱心な浄土宗信者だったようですのでこれは史実でしょうか。また関ケ原の合戦シーンでは、石田三成が戦わない島津勢に直接乗り込んで督戦に行く場面。島津は兵数が少ないため援軍要請を断りますが、そのときに大将の島津義弘は激戦の戦陣の中、数人の修験者らしき面々と何やら祈祷をしていました。これも史実なのでしょうか。どちらも私としては面白い演出だと思いました。

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