【-9日め】朝は灰色
「朝は灰色」。とは、『女学生』の一文だ。太宰はやっぱすごいな。
目が覚めると最初に嫌な感情が湧いてくる。
悪意や愚痴や憎しみやその他もろもろ。
少し前は目が覚めると真っ先に「死にたい」だった。それよりはマシなんだろうか、いや、あっちのがまだ他人への攻撃性がない分マシだった気がする。
次回病院行った時、前に飲んでいた漢方薬に戻してもらうか考える。
この日は朝から動物病院へ行って猫の診察。
うちに来た時にはだいぶ酷い下痢をしていて、色んな薬を飲ませても治らなくて、別の病院に転院して改めて詳細な検査をして、薬とサプリと食事療法でようやくまともなうんこが出るようになった。ここまでの間半年間。毎週一万円以上。長かった……。上手くいけばようやく療養食を卒業できる。猫飼いの間で有名な例のアレだ。鬼高い。しかも普通に売ってない。病院で処方してもらうしかない。ここから普通の猫エサに出来ればだいぶ楽になる。
本人(本猫)もあまり美味しくは感じてないようだったので、これからは少しずつではあるが食の楽しみも増やせたらいいと思う。
夜には旦那と喧嘩した。ここまでの喧嘩は久々だが、私も「あと少しの間しか会えないんだから、多少は目を瞑らなきゃ」と我慢していた点が爆発してしまったように思う。旦那は旦那で、あの人の性格上、自分が上手くいっている時は気が大きくなって人への態度が悪くなるのだ。見下して馬鹿にしがちになる。正直、某有名ブラック企業で毎日ベコベコに凹んでいた頃が一番優しくて大人しくて可愛げもあった。ただ、それは本人が辛い状況なので、もう一度ああなれ!と呪ったりはしないが……。
よくよく話し合って最後にはちゃんと仲直りしたが、朝は灰色。今朝、目が覚めたら瞬間から、自分が今までされてきた数々のことへの旦那への怨嗟が渦巻いて最悪な気分。こんな時ばかりは反出生主義に共感してしまう。
さて、ここからどう持ち直して今日という日を過ごそうか。まずは漢方を飲んで温かいお茶をお腹に入れるか。
寝室のドアの外では猫が餌を催促する声がしている。起きねば。