北海道岩見沢市の大和跨線橋が消える
岩見沢の12号線の途中、ポスフールとブックオフの間に掛かってる跨線橋が撤去され、平地化されると聞いた。
中学生くらいの頃LEAF FIGHTというカードゲームに熱を上げていた。
このカードゲームが自分の住んでいる町には売っていないため、友人とわざわざ隣町から自転車を漕ぎ、この橋を超えてデンコードー(家電量販店)へと買いに行った。
その間約14キロ。
普段大して運動をしない中学生が安物のチャリで行き来するには思いの外しんどい距離だった。
その上、この行軍は夏休みに行われる事が多かったので夏の暑さと強い日差しも自分達の体力を奪っていった。
大和跨線橋はそんな疲労困憊な自分達にそびえる最後の難関だった。
この橋は、斜面の角度はそこまでではないがとにかく距離が長い。
一気に走り抜けるため助走をつけるけれど、スピードはやがて段々と落ちていき、ペダルを漕ぐ足は重くなっていく。
歩道が狭いので向かえから自転車が来た場合はぶつからないように、細心の注意を払って端によらなければならないのだが、その場合はすぐ傍らを高速で走る車やトラックにも気をつけなければならないという、なかなか神経もすり減るポイントだった。
それでも自分はこの橋が好きだった。
ようやく目的地に着くぞという達成感。
遮るものの無い橋の上、左右から吹いてくる風の爽快感。
チェーン系の飲食店が並ぶゴミゴミした岩見沢市街を抜け、必死に自転車をこぎながら橋を渡ると視界が開けてきて新篠津〜江別周辺の景色が眼前に広がる開放感。
それらが三位一体になり、なんともいえない心地よい気持ちになったのを今でも覚えている。
あれから今年で約20年、
橋の向こう側の町札幌で一人暮らしを初めて、10年が経つ。
思えば、取り壊される大和跨線橋の周りや、僕らの行軍ルートの周辺も随分変わったなと思う。
目的地であるデンコードーはケーズデンキになってから、先ごろ閉店した。
行軍の帰りに休憩に使っていた、岩見沢駐屯地の通りのたこ焼き屋はとっくのとうに閉店。
ダイエーの跡地には斎場、その向いにあった本&文房具の「ゾーン」はデイサービスに変わったというのもなんだか悲しい。
そんな時代の変化とともに消えていく光景やそれに纏わる思い出などを、あまり忘れたくないなぁという、小学生並みの感想で今回は締めさせていただきます。
オチは特に無いですすいません。
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