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ペイシェントボイスカフェ(直腸がん)

日時
2024.11.3

ゲスト
中島 陽史さん

【イベント紹介】
患者と医療を繋ぐ活動の一環である。
薬剤師他、医療関係者が患者さんの実際のお話しを聴くことで、患者視点や想いを知り、臨床における薬剤師の発想を広げてコミュニケーション能力向上へ繋げていただくことを目的にしている。
また、参加者同士の交流の場としても機能している。


直腸がんに罹患して

【自己紹介】

直腸がんサバイバー
2019年11月に受けた市の検診にて
要精密検査の通知
12月の受診で直腸がんステージ3Cの診断あり
職業は自営業


【がんの診断の瞬間】

自分事として受け止めきれず他人事のような感じ
医師から進行具合、治療法の説明、薬剤師から化学療法について説明を受けた


【腹腔鏡手術と同時に人工肛門造設術】

術後補助化学療法(10クール)
8ヶ月後に人工肛門閉鎖術
術後化学療法については、診断当日に薬剤師から冊子による説明を受けた
>飲み薬か2週間ごとに3日間入院して点滴投与する方法があることを説明された


【薬剤師さんとの関わり】

診断受けた直後に、術後補助化学療法について説明を受けた
>自分自身の治療法を考える時間的余裕があり、家族と相談して2週間ごとに3日間入院して点滴投与の治療をする方法に決めた


【不安の克服】

不安の軽減方法:
予後への不安、生活や健康、未来への見通しへの不安
副作用が日常生活に与える不安(脱毛や手足のしびれなど)
治療のプロセスへの不安(自分に最適な治療は?)
家族や周囲の反応(心配や負担をかけるストレスなど)
社会的孤立(コロナ禍だったため、外部や患者同士の繋がりもなかったから)
経済的な負担(収入の減少に伴う治療費への不安)
知識不足(情報が不確かで、SNSでも情報が氾濫していた)
>薬剤師や医療従事者への質問やコミュニケーションを通して軽減する部分が多かった


【現在の状況】

経過観察中
抗がん剤にて手足のしびれ
人工肛門閉鎖後の排便障害>時間経過と共に改善はされているが残っているため、痺れに対する薬と整腸剤を服用中
抗がん剤治療のことで入院中は薬剤師へ副作用や体調のことを相談できたのはありがたかった


【患者視点から大切に思ったこと】

専門的な情報提供
>封鎖要の可能性や治療効果について理解を深めるための相談ができること
服薬指導
>服用法や管理の重要性を知ることで、安心して治療に臨める
治療に伴う不安軽減や励まし、サポート
>医療従事者との連携やサポートなどがあった。


【患者として協力できること】

病歴や体調、治療経歴について詳細に簡潔に説明する
疑問を素直に聞く
薬やサプリメントのリスト等を提供する
治療計画についての意見や希望を伝えることも大切


【まとめ】

治療を通じて、薬剤師さんの協力が心強かったか実感した
がん治療は過酷な道のり
薬剤師さんとの連携を通じて安心などが生まれることを期待している


【質疑応答】

○直腸がんで生活が大変だと思うが、薬の飲み忘れに対してどういった工夫を?

 ▽
入院中は空のカップを置いておいてくださって、飲んだ空を入れる。看護師さんが確認してくれる。自宅でも同じようにしていた。
今朝晩で、朝3錠、晩3錠服用している。


○がん治療でしびれがいつまで続くの?という質問は多いが、MAXの時から酷くなっているのか、どのくらいまで落ち着いている?

 ▽
私は、抗がん剤を初めて4回目くらいからしびれが出てきた。5~6回となる内に、針で突き刺されたような剣山で刺されたようなチクチク、電気が走るような痛みがあった。丸4年経って、最初の10の痛みだとしたら4か3くらいまで改善してきている。
10クール終わったときがしびれのMAXだった。痛みに関しては3~4だが、しびれも3~4くらい。手は今少しこわばる感じで、しびれはなくなった。痛みは少し出る。足はまだしびれがある。
痛みがなくなったのは、MAXの時からは半年経ったくらいから徐々に改善して1年くらいでなくなってきた。


○冷たいモノを飲んで違和感はあった?

 ▽
看護師さんからは冷たいモノへの注意喚起はあったから、極力飲まないようにしていた。だからあまり感じることはなかったけれど、冬で金具や冷たいドアに触れたときはやっぱり感じた。


○食べ物に関する工夫は?

 ▽
匂いがだめだった。ご飯の炊きたての臭いやおかずの臭いが無理だった。カロリーメイトとかクラッカー、フルーツなどあまり冷えていないものを、抗がん剤終わったすぐのときには食べていて、抗がん剤が抜けてくるといつも通りにしていた。その繰り返しだった。
味も分からなくなり、しょっぱい味だけする。カロリーメイトとかパサパサしたものは食べられた。飲み物は温めると香りが出るから、お茶とかスープも飲んでいなかった。
病院の栄養士さんに勧められたジュースなどを冷やさずに飲んでいた。


○ストマ閉鎖して食事で工夫されていることは? 

 ▽
お肉、動物性の脂は合わなくて、すぐ下痢をしてしまう。最初のうちはすごく酷くてストマを閉鎖してすぐはトイレにこもる感じだった。
今でも日によって、お腹の調子が悪い日が月に何回かある。


○抗がん剤、大腸がんの治療の進歩はすごいものがあったと思います。

 ▽
抗がん剤について、点滴の方が効くような気がしたし、薬剤師さんからもそういった方向性の話しをした。B5くらいの冊子で情報が書いてあった


○薬剤師さんとの関係性での改善は?

 ▽
治療が終わると、関係性は薄くなる。外来になると薬はかかりつけ薬局との関わりになる。薬局薬剤師と病院薬剤師との連携がもっとあると良いなと思う。
薬局の薬剤師は、今はすごくお話ししやすい感じです。


○下痢に対しては何を飲んでいますか?

 ▽
ミヤBMを1回2錠飲んでいます。

【次回予告】

次回のペイシェントボイスカフェは
12月1日(日) 19:00〜20:30
ゲスト:大石 匠さん
テーマ疾患:解離性障害
お申し込みはこちら!
https://2412pvc.peatix.com

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